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クロスタウン・アンノウン  作者: オブチアスマ
第1章 北条財閥と国際函館南警察

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第23話 いじめと一凜1

 ある日、南警察・署長の一凜は表面上、普通にしていたが

最近あらゆる問題を背負い込みすぎて軽いうつ状態になっていた。


南署、警視庁、宮内省、日本、地球、月、金星、火星、木星・・・

異次元の住人、魔物、敵宇宙人・・・

 

『このままでは息が詰まる』


地域課・自動車警邏隊(けいらたい)で特別兼務・通信指令課所属の友達『宮田ミキ』巡査を誘い、午後の管轄地域をミニパトで流していた。


「どうしたんですかぁ珍しい」運転手のミキが言う。


「あー?疲れてんのかなー癒してくれる男もいないしさあー、

なんか、うつっぽいんだよねぇー」


「大丈夫ですか?そういうの、自覚があるうちに早めにセラピーでも受けたほうが良くないですか」


「そんなもの、それならナムサンとアガルタにでも行って未来を占ってもらったほうが気持ちサッパリするわよ」

「じゃ、どうしたいんですかあー」


「っと、と、とりあえず止まって、そこのアイス食べたい」

地元で大人気のハンバーガーショップだった。


「署長、いいんですか勤務中にミニパトでアイス買ってたら写真撮られますよー」


「いいよ別にパトカーで買い物はOKなんだから、あ、財布忘れた、ミキ二千円貸して、あんた何食べんの?」


「えー、いいですけど、じゃ私、ごまシェイクで、二千円って、お昼食べてないんですか」


「いま後部座席にナムサンもいるのよ」


ナムサンの3人はSPモードで透明状態のまま署長の警護をしていた。


「それなら先に言ってください」

「はいよ」


シートベルトを外して買い物に走る署長の背中を見ながら、ミキは本当に心配していた。


「何かあったのかな・・・・ね、ナムサン、署長なんか変じゃない?」


「そうかあ、まぁ先週、彼女なりに警視庁に気使ってたからな・・・」


 署内の噂では先週、公安から南署に協力要請が入り

南署機動部隊・チャレンジャーの中から選ばれた5名と秋葉副署長も参加して

東京下町の外国人アジトに殲滅作戦が組まれ、ひと暴れしてきたらしい・・・・


署長は、ちょっと情緒不安定でストレスを溜めているようだった。


 休み休み警らしていると・・・


 そこへ偶然、通りかかった小さな公園で小学生と思われる3人が1人の男の子を小突いたりしているのを署長は見つけてしまった。


「ミキ、ちょっと戻って、公園、多分い(・)じ(・)め(・)だなあれ」

「了解」

素早くミニパトを回し現場についた。


署長は意外にも子供たちが好きで、こういう場面は見逃さない人だった。


「ミキ、あいつら逃げようとするから、いじめられてる子は私が保護する、あと逃がさないでね」


「3人はきついなあー、了解しました」

ミニパトを停めて小走りで向い、もみ合っている彼らに声をかけた。


「ちょっと」

3人の小学生は突然の警察官の声がけに驚いたようだった。


「なんですか?」

振り向きながらリーダーっぽい小太りの子が言った。


「あんたたち今、この子イジメてたでしょ」


「いーやあー、イジメてないよう、なぁー遊んでただけだよ、なぁー」

小太りの子が他の子達に同意を求めたが、ほかの子達は黙って俯(うつむ)いている。


「君、何年生?」

虐められていた子に署長が尋(たず)ね、ミキは3人が逃げないようにランドセルを両手で掴んだ。


小太りの子が言った。

「なんだよ、はなせよお、職権乱用だぁ」


すっと、署長の顔色が変わった。


「ほう、言うじゃないか、お前どこでそんな言葉覚えた、親が使ってたか?名前を言いなさい」

他のふたりの少年は真っ青になり、いじめられていた子も下を向いている。


「ミキ、応援呼んで、親に連絡するから・・・」

「了解」


 署長は、子供たちの名前を聞き出すと普段から懇意にしている

管轄地域のPTAに連絡して学校と親に連絡をした。

すぐに応援の機動隊警官2名がパトカーでやってきて、子供たちの親もそれぞれ現場に呼ばれた。


「あの、すいません・・・」

やがて血相変えた親たちが集まってきて、いじめっ子の2人は事実を認めたため、あとで警察官が事情を聞きに行くということで注意して帰されたが、ひとり生意気な少年だけは


 いじめを認めようとしなかった。


 いじめられてた子は親が迎えに来て「あとで事情を聞きに行く」ということで引き取ってもらった。


 やがて問題の生意気な少年の父親というのが外車で乗り付けてやってきた。

「なんだ、どうした、あ?」肩で風を切って歩いてきた。


親父さんが現場を見るとミニパトの婦人警官が目に入った。


署長が応答した。

「お父さんですか、この子がイジメをしてる現場を我々が発見して注意したんですが、お子さんは認めようとせず、御足労いただきました」


「おれ、なんもしてねぇよ、おやじ」


「そうなのか、なんもしてねぇんだな?」

「うん」


「お父さん、我々は現場を見ました、この子は嘘をついています」


「なぁに、うそだぁーあ、証拠でもあんのか、あぁ?」


「あります、これが写真です」

署長は、いじめの現場をスマホで撮影していた。


「あんだよ、遊んでるふうにしか見えねぇな」


「そうですか、ミキ、お父さんの、車のナンバー調べて身元確認」


「了解、南署、こちら001、車のナンバー所有者確認願います」

「001了解、照会ナンバーどうぞ」


すると、この父親の表情が険しくなった。

「おい警察っ、こんな証拠で、いちゃもんつけんのか裁判で恥かくぞ大丈夫かあー?」


署長の顔は、どんどん険しくなってきた。

「裁判だと?話を大きくしたいらしいな今(・)す(・)ぐ(・)大(・)き(・)く(・)してやろうか?

言いたいことは、それだけか?」


話を聞いていたミキは大変な事になりそうだなと思った。


 署長が怒ると非常にまずい。

 

以前も暴走族気取りの少年たちがバイク13台で署長の覆面パトカー

【マックス】に対し

『おしりぺんぺん』や『タコおどり』で挑発行為を行い、

切(・)れ(・)た(・)署長は次々に覆面パトカーでバイクに体当たりをして

執拗に追い掛け回し

バイクの少年たち13人は皆、吹っ飛んで北条の病院送りになった。


全員逮捕、13人に『合格するまであきらめません』と念書を書かせて

少年たちはバイトをしたり、学校に通い、警察官及び警察行政職員の試験を毎年のように受験しており

親たちは喜んで内密に毎年お歳暮が、たくさん署に届いていた。


 その時のバイクは、すべて没収となって鉄くず回収業者に引き渡したのは宮田ミキの担当だった。


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