襲撃5
GC.118.11.20 15:12
緊迫した空気の中、2隻の強襲艇はじりじりと距離を詰めてくる。タリアンの指示で凝集光砲を照射。前方の一隻に焦点を絞る。強襲艇は強烈な閃光とともに大きく弾け、制御を失ったまま小惑星に隙間に激突した。
「一隻は撃破……!」
艦橋にわずかな安堵が広がる。しかし、もう一隻がジグザグ軌道でこちらへ向かっている。
タリアンは艦橋クルーの顔を順に見渡す。
「やるしかない。皆、頼むぞ」
ユナは肩を張り、操縦席にかじりつく。目の前の緊迫に反応しながらも、脳裏では冷静に対処の手順を整理していた。イグナスは端末に手を置き、救出と防御の作戦を頭の中で再生する。
艦橋のモニター越しに、揚陸艇の影がじわりと迫る。小さな揺れが金属床を伝い、艦内に緊張を走らせる。ユナが微妙な振動を感じ取り、息を呑む。
「……強襲艇、接近しています」
タリアンは艦橋椅子に深く腰をかけ、冷静に状況を分析する。
「よし、総員、覚悟はいいか? 白兵戦になる。皆でなんとか切り抜けるぞ。ある程度の犠牲はやむを得ん。腕に自信のない者はなるべく後方に下がらせろ」
クルーたちは艦内を駆け回り、装備の最終確認を行う。金属床の冷たさを足裏で感じながら、武器の手入れをする者、通信や隔壁の閉鎖手順を確認する者。艦全体が一種の緊迫した呼吸を共有していた。
その中で、ロックはなぜか上半身裸。なにやら透明な液体を塗っている。胸板や腕の筋肉が光を反射して輝く。ユナが小声で尋ねる。
「え? 着ないんですか?」
ロックは振り返り、にやりと笑う。「あんなもん着たらどうやって筋肉美を魅せるってんだよ。」
確かに艦に何かあれば与圧服など気休めでしかない。
ある意味合理的なのか・・・いや、一時的な気密低下時に命綱になる。やっぱり着るのが正解でしょ。ユナはすぐに考えるのをやめた。
口元がわずかに緩む。だがすぐに表情を引き締め、艦の安全確保に集中する。タリアンは艦橋で淡々と指示を出す。
「総員、与圧服着用。武装を許可する。各隔壁を閉鎖せよ。揚陸艇接舷に備えろ」
艦内の通路ではカイが資料を抱えながら身を低くしながら呟く
「俺は役に立たないぞ…」
「どこかに隠れてろ。それに研究資料も忘れるな」とタリアンは言い、ニヤリと笑う。「ははは、俺を信じろ」




