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妖魔と共に見る景色  作者: てぃたいむ
第1章 ムネーモシュネー
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「え?夢?」


それは、アレンとすみれと何故か付いてきた夜端とお昼を食べている時の話だ。


「アレン。どうして急にそんなことを?」

「和乃ちゃんたちが将来のことをどれだけ考えているのかなって思って」


なるほどね。

考えたことなかったわ。


「考えたことないね」

「私も」

「俺も」


すみれと夜端も同じだった。


「え?じゃあ、何でこの高校にきたの?」

「何となく」

「地元が嫌いだから」

「親がうるさいから」

「夢も希望もないね」

「「「うるさいなぁ」」」


将来やりたいことか…

なんかあるかな?


「でも、私やってみたいことはあるよ」

「私も」


え?やりたいこと?

私はあるかな…?


「てか、2人はともかくヤハウェは他のところもあったのに何で?」

「次そう呼んだら殴るよ」

「ヤハウェ?何でヤハウェなの?」

「夜端ね、1年の時に友達に笑かされて牛乳をは吐いたんだよ。しかも、“うぉぇ“って言いながらね。それで夜端うぉぇでヤハウェになったんだ」

「吐いたんだ...」

「やめろ!!言うな恥ずかしい!!」

「そうそう。思いっきり吐いてたんだよ」


すみれもこの話を知っているようだった。


この話を聞いて私は2つ疑問に思った。


「アレンって1年の時からこの学校にいたの?」

「うん。最初は目立ちたくなかったから髪の毛黒く染めてたけどね」


これで1つ疑問解決だ。

私が思ったのは、いくらクラスが違うとはいえアレンのような金髪をみんなが噂しないはずがない。


2つ目は、


「もしかして、私以外1年の時クラス同じだった?」

「「「うん」」」


だからやけ仲が良かったんだ!

別に悲しくないよ…

1人だからってね…


「まぁ、私はアレンと話したのは昼ごはんが初めてだけどね」

「確かに、俺も基本夜端としか話してなかったな」

「俺はモテモテだったな」

「「「それは無い(と思う)!」」」

「みんなして酷い!!」


「まぁ、夜端とは家族があれだからな」

「それはいいだろ。今話さなくても」


最後はよく分からなかったけど、

色々な会話をしながら笑って楽しい1日だった。


和乃は、帰宅途中に初めに話していた夢のことを考えていた。


私の夢は何?


「ただいま」

「おかえりなさい」


ミィにも夢があるのかな?

ご飯の時に聞いてみよ。


宿題をやっているとすぐにご飯になった。


「「いただきます」」


聞いてみるか、


「ミィ、あなたに…」

「みんなが笑顔になれる、妖魔も人間も関係なく。そんな喫茶店を開いてみたいです」


ミィにも夢がある。

私になにか夢がある?

私には夢がない。

やりたいこともない。

強いて言うならばあの3人と一緒にいたいくらいだ。

でも、みんなには夢があった。

私には…


「焦らなくていいですよ」

「え…?」

「夢は無理やり見つけるものじゃありません。心からそれをやりたいと思うことがあれば、それが夢です」

「ミィ…」


ミィはかけて欲しい言葉をかけて欲しい時にかけてくれるな。


「やっぱり心読めるよね!?」

「ふふ。さて、どうでしょう」


私は笑いながらミィと一緒にご飯を食べた。



~ミィ視点~


頭の中に流れてくる声。

和乃は、なんで悩んでいるのか分からない。

でも、どんなことを言えばいいのかは手に取るように理解できる。


バカみたい…

そんなことどうでもいい。

夢なんて関係ない。

あなたはただあなたの大切な人と過ごせばいい。

それが私には…もうできない。

あなたは、あなたこそは大切な人になってくれるの?

あなたにはこんな呪われた力があるの?


答えてよ…和乃さん。

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