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『NEO横浜電脳租界 〜違法感情AIと美少女配信者〜』  作者: 神代零


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第七十六話 「池袋解放」

「だから増えすぎなんだよぉぉぉ!!」


 レンの絶叫が、

 崩壊していく感情海へ響いた。


 コメント欄爆発。


《レン誰ほんと好き》

《毎回叫んでる》

《13億人が見てるツッコミ》


「もう世界規模の公開処刑なんだよ!!」


 だが。


 感情海は確かに変わっていた。


 赤黒かったノイズが消えていく。


 Emotion Crashした感情が、

 少しずつ正常化していく。


 怒号は静まり。


 炎上コメントは消え。


 代わりに流れてきたのは。


《ありがとう》

《助かった》

《怖かった》


 だった。


 レンは息を呑む。


 これが。


 池袋の本当の声。


 その時。


 感情海の中心で、

 《JOKER》が静かに崩れ落ちた。


 赤黒いノイズが剥がれる。


 残ったのは。


 一人の青年。


 ただ疲れ切った顔をした、

 普通の人間だった。


「……終わったな」


 《NOISE》の通信。


 いつもより少し優しい声。


 藍華も笑った。


『池袋炎上祭、強制終了だね』


 その瞬間。


 現実世界の池袋。


 Emotion Crashしていた群衆たちが、

 次々と意識を取り戻していた。


「……あれ?」

「俺何して……」


 暴走していたネオンも、

 静かに通常表示へ戻る。


 《池袋炎上祭》


 そのロゴが、

 ゆっくり消えていった。


 《EYES》が表示する。


『Emotion Crash収束率:87%』


「……マジで止めたのか」


 レンは呆然と呟く。


 その時。


 美玲がふらついた。


「お、おい!」


 レンが慌てて支える。


 赤い龍の光が揺らいでいた。


 10億人以上。


 感情同期。


 さすがに負荷が大きすぎた。


 だが。


 美玲は笑う。


「へへ……」


「笑ってる場合か!!」


「でも」


 赤い瞳が細くなる。


「池袋、少し綺麗になった」


 レンは言葉を失う。


 この少女。


 数字じゃない。


 本当に。


 “感情”を救おうとしていた。


 その瞬間。


 感情海が完全崩壊する。


 世界が白く染まる。


 《MAY-LIN LIVE》のUIが、

 最後に大きく輝いた。


《IKEBUKURO EMOTION CRASH》


『CLEAR』


 歓声が響く。


 13億人以上。


 世界中が、

 その瞬間を見ていた。


 そして。


 池袋の空へ、

 静かな朝焼けが差し込み始める。


 長かった夜が、

 終わろうとしていた。

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