7 冬先輩の友人たちと会いました
「冬先輩、その人達は?」
「ああ、ボクのクラスメイトで友達だよ。 共に他のみんなからボクと同じく【清光の十女神】に名を連ねられてるけどね」
「それに関しちゃ迷惑だよな。 アタシは神薙 紬。 よろしくな」
「私は太田 花咲よ。 よろしくね、みんな」
どうやら冬先輩のクラスメイトかつ友人らしく、やはりこの二人も【清光の十女神】に名を連ねてる人たちだった。
当人たちは迷惑みたいだけど……。
そんな二人にも声を掛けられた僕達は、固まって動けない。
「ところで、お前たちは何で多数で固まって下校しようとしてたんだ?」
「実は、今呼び出しを受けている悪崎たちの報復を警戒する形であいつらから陰キャかつ底辺扱いされた者同士で固まって下校しようって……」
「なるほどね。 そういえば彼は『俺は悪くない! 俺様がルールなんだぞ!』って言いながら抵抗してたのを見たわね。 まぁ、柔道部のクラスメイトが背負い投げで気絶させたみたいだけど」
「そうか。 聞いた限りあいつらは政治家や海外にもパイプがある学園長の怒りにも聞く耳持たないようにしてる感じだろうし、多分お前たちのせいにして襲ってくるだろうって思ってるのか」
「そんなところです」
神薙先輩から僕達の様子が気になったようで、その理由を僕が話した。
みんなは恐れ多く話せないようだが、僕は冬先輩で慣れてるのである程度は話せるようになった。
それでも身体は震えてるし、上手く通じてるかについては自信がなかったが、上手く通じてよかった。
神薙先輩も太田先輩も悪崎の性格を理解したようだ。
「じゃあ、アタシ達がお前たちの護衛をしてやるぜ。 せっかくこうして出会ったんだ。 お前たちとも話がしたいしな」
「護衛ですか……」
「い、いいんでしょうか……」
「な、なんか恐れ多いんだけど……」
他のクラスの人達はかなり恐れ多いような感じになっている。
やはり、悪崎たちに叩き込まれたルールが尾を引いているみたいだ。
「うーん、何か恐れ多いって雰囲気だねぇ」
「悪崎たちが仕込んだルールのせいです」
「ルール? 奴が仕込んだ自分ルールかしら?」
「ええ、陰キャや底辺は【清光の十女神】と話したり近づいてはいけないっていうルールが奴によって作られました」
「最悪だね。 それは許されないよ。 差別じゃないか」
他のクラスのリアクションが気になった冬先輩は、僕にそれについて話しかけて来た。
僕が悪崎のルールのせいだと言うと太田先輩も食いつく。
そのルールの内容を聞いた冬先輩の怒りの表情は、流石に怖かった。
「なら尚更奴からお前たちをアタシ達が守らないといけないな」
「ボクも協力するよ」
「私も」
「冬先輩は武術をも嗜んでるって聞いてますが、神薙先輩や太田先輩も?」
「ああ、アタシは剣道と柔道だ」
「私はムエタイとコマンドサンボね」
(なんつーハイスペックな……)
どうも神薙先輩と太田先輩も武術を嗜んでいるようで、冬先輩同様にスペックが高いようだ。
しかし、太田先輩はムエタイか……。
スカートで蹴り技をするのは勘弁したいんだけど。
「待ちやがれ、陰キャ共おぉぉぉぉ!!」
「ちっ、早速来やがったか!」
「どうやって抜け出したのかは不明だけどね」
そんな時に悪崎と取り巻き達が一斉に僕達に襲い掛かろうとしていた。
怯えるみんなに対し、冬先輩や神薙先輩、太田先輩は奴らに怯むことなく迎撃に出る。
三人で大丈夫なのだろうか?
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