27 屋上での会話
あれから無事に午前の授業を終わらせた後で冬先輩に昼食を誘われたので一緒に屋上で弁当を食べていた。
今日は冬先輩が作ってくれたお弁当を一緒に食べている。
冬先輩の女子力、半端ないよな。
小柄でボクっ娘でゲームが好きで女子力も高いうえ、武術もこなすとかハイスペックにも程がある。
そう思いながら一緒にお弁当を食べつつ、朝にあった事を冬先輩に話した。
「やっぱりやらかしてたかぁ」
「そうなんですよね。 反省するどころか僕達のせいにして襲ってきましたよ。 見張りの先生に止められましたが」
「花蓮ちゃん曰く、悪崎の両親は土下座で謝ったんだけど、悪崎自身は謝罪しなかったみたいだよ。 『俺様は悪くない! 学校はカーストがあって当たり前だ』とか」
「うわぁ……」
「その直後に両親が無理やり謝罪させて停学中に再教育を施したけど、無意味っぽい感じだね。 どうも、奴に甘い親族に頼ってるみたいで」
「なるほどねぇ」
朝の出来事を聞いた冬先輩は表情を歪ませれいた。
さらに花蓮先輩からの情報では、悪崎の両親が即座に土下座をして謝罪したものの、悪崎自身は謝罪しなかったようだ。
なので、両親が無理やり謝罪させて、停学中に再教育をしたようだが、奴は自分に甘い親族に頼ってカースト制度の浸透を図らせているらしい。
「ここにも奴の親戚の手が来る可能性があるから、学園長は偽装に強い人員を雇用するみたいだよ。 臨時教師として」
「親戚筋にも圧力をかけるのか」
「その親戚筋が実の両親とは違ってカースト制度を支持してるからねぇ」
悪崎の両親がまともでも、親戚筋がまともじゃないのか。
そりゃあ、学園長も余計なお金を使って雇用を増やしたり対策を強化したりするわけだ。
一応、悪崎を入学させた教師や停学をなかったことにさせた元教頭は辞めたようだが。
「今、あいつらは生徒指導室にいるんだよね?」
「ええ、見張りの先生を交代させて引き摺るように連れて行ったのを見ましたから」
「それでも反省はしないだろうから、ボクが放課後迎えにいくよ」
「ホントすみません……」
「気にしないように。 ボクは禁止しているカースト制度をやろうとしている悪崎を許せないだけだから」
悪崎の味方はまだ多い。
本来はコミュニケーションが苦手でぼっちでいる事が多く、見た目も暗いから『陰キャ』と呼ばれるはずが、奴らの定義ではゲームやアニメや漫画が好きなだけで『陰キャ』呼ばわりされるのだ。
それに同調している陽キャグループや悪崎の親戚筋など、味方が多い。
幸い、ここの先輩達や二学年と三学年の教師たちは悪崎と敵対する事も辞さない構えなのが救いか。
学園長の娘でもある花蓮先輩もこっちの味方だし、冬先輩を含めた【清光の十女神】も悪崎達や陽キャグループを嫌っていると聞いている。
「ささ、時間も惜しいから食べてしまおう。 特に今日はキミの分も作ったんだし」
「そうですね。 このおにぎり、美味しいですよ。 昆布入りですか?」
「そうだよ。 お気に入りになったんだね」
「ええ、また食べたいくらいです」
時間も迫っているので、一緒にお弁当を食べる。
特に冬先輩は僕の分も作ってくれたのでさらに美味しいからね。
その中で昆布入りのおにぎりがお気に入りになった。
冬先輩が作ってくれた美味しいお弁当を食べて、トイレを済ませてから午後の授業に臨んだ。
そして、放課後の部活動の時間がやってくる……。
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