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22 転売のニュースと別れ際の……

「お、戦闘はアクションっぽい感じかな?」


「敵との距離感も重要ですね。 魔法は追尾性能が少しあるみたいですが」


 さて、『エクストラファンタジー5』をやり始めて少しして戦闘に入ったので、早速戦闘システムを確かめてみた。

 初期でパーティは主人公と魔法使いの女性の二人。

 アクション風味の仕様になっていて、操作キャラを切り替える事が可能だ。

 なお、魔法は少しだけ追尾性能があり、ある程度は当たりやすい感じになっている。

 単体魔法なのでそう思えるけどね。


「それでも見た限りだと遊べそうだね。 有名シリーズの名に恥じない出来だと思うよ」


「そうですね」


 序盤を体験しただけでも有名RPGシリーズの名に恥じない出来だと思う。

 これなら僕も冬先輩も腰を据えて攻略できるってもんだ。


「お、最新ニュースの通知が……」


 そんな中、冬先輩のスマホから最新ニュースの通知があったようだ。

 どうも彼女はニュースアプリもインストールしているみたいだな。

 僕の場合はそうではないけど。


「ああ……、やはり転売されてたかぁ……」


「もしかして?」


「うん。 他のゲームショップで買い占めした奴らがアプリで高額で転売しだしたみたい。 酷いと10万円だって」


「酷すぎるなぁ」


「流石に酷いので、『エクストラファンタジー5』のメーカー側が通報して転売禁止にするように要請したみたい」


 ニュースの内容はやはり有名RPGの限定版の転売だった。

 早速来たかと言うか、何というか……。

 他の店で買い占めて、転売して荒稼ぎしようって魂胆がいまいち理解できない。

 幸い、『エクストラファンタジー5』のメーカー側が通報し、転売アプリの運営会社に該当の物を転売禁止にするように要請しているらしいが。

 なかなか対応してくれないのが現実だろう。


「今は転売アプリの運営会社の対応を注視したほうがいいね。 酷い運営会社だと開き直る事もありえるから」


「ああ、転売に成功したらその分の手数料が運営に入るからか?」


「多分ね。 さ、もう少し先に進もうか」


「そうですね。 もうすぐ序盤のボスですし」


 転売のニュースで憂鬱な気分になったが、それ以外は冬先輩も一緒に手伝った事もあってか、ゲーム自体は楽しめた。

 その後は先輩のメモリーカードと僕のメモリーカードにセーブデータを入れた。

 明日以降、ゆっくり続きをするために大事にしないとね。


「そろそろ時間だね」


「そうですね。 途中まで送りますよ」


「ありがとう。 じゃあ、いつもの交差点までお願いするよ」


「了解しました、先輩」


 そろそろ夕方になるので、丁度キリもいいので帰る準備をした。

 僕はいつもの交差点まで冬先輩を送ってあげた。

 ゆっくり歩き、雑談を交わしながら交差点にたどり着いた。


「じゃあ、また明日一緒に登校しよう」


「ええ、ここで待ち合わせですね」


「そうそう。 あっと、せっかくだから……」


「え……?」


 交差点で冬先輩と別れる際に、僕は冬先輩の行動で驚き固まった。


「ふふ、頬っぺたにだけどボクのキスでマーキングしておくよ♪」


 冬先輩は僕の頬にキスをしたのだ。

 彼女的にはマーキングするためにと言ったのだが、どうも独占欲が強いようだ。


「じゃあね、ゆーくん♪」


 笑顔で手を振りながら緑の紙袋を持って冬先輩は自分の家に帰って行った。

 一方の僕は、冬先輩に頬にキスをされた事でしばらく固まっていたのだった。



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