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Mission84.拝啓、親愛なる友人へ


拝啓、親愛なる友人へ


元気…って訊くのは変か。まぁ、許してくれ。元気で生きているか?俺達は全員、元気に生きてる。


あのあと『忌鬼』や『アラーヴァ』は主がいなくなったせいか全てが黒い靄と化して消滅した。だが、『禁忌』は数名残った。残った、というよりは捕まえた、と云う方が自然かもしれない。彼らは今、研究部隊によってその仕組みを解明されていくらしい。政府は反対していたがあるお方の発言で一切黙った。不思議だな?で力を失い、ただの人型を保つだけの『禁忌』4人はそれを了承している。緋暮によれば記憶がなくてもティモリアのように転生している可能性は十二分にあるらしい。


俺達が所属していた『『禁忌』対抗専門組織』は後方支援支部を残して全て廃部。みんなそれぞれ、『忌鬼』や『アラーヴァ』がいない新しい世界で楽しく暮らしてるよ。


気になるだろうから、紹介するな。


光希は自分の臣下のアイリスに影響されて、『忌鬼』の流出を避けるために長年封鎖されていたがこの間、動き出した船に飛び乗ってアイリスの生まれ故郷に旅に出掛けた。光希はそこで好きな事を学ぶつもりらしい。何を学ぶかまでは聞いてねぇけど。光希と一緒に弐薙もそこへ旅立った。保護者、と云う名目で弐薙もそこに行きたかったらしい。もう出発しちまったけど、今頃2人は楽しんでるだろうな…好きな事を望んだ場所で。


政と近の双子は自分達の主と一緒に研究部隊に配属になった。今は、何をしてるか知らないけど、あいつらの事だ。楽しくやってると思うぜ?本部はまだ健在で本部直轄部隊も万が一のためにって残ってるしな。あの双子なら大丈夫だろうさ。


竜胆華丸と緋暮は研究部隊に協力して『禁忌』の歴史を探っていくそうだ。緋暮は楽しそうにしてたから竜胆華丸も止めるの大変だろうな。でも、竜胆華丸も楽しそうだったからいいかな。他の人型を保つだけになった『禁忌』4人共、可能なら契約を結ぼうとしてるし。緋暮に感化されたかな……


そういえば、結婚した奴らがいるんだ。予想済みだろうけどな。2組、あるんだ。


1組目はもちろん、螢と弥厳。それはそれは盛大な結婚式だったぜ。知ってたか?螢には三人の姉兄がいるってさ!しかも全員、同い年。つまり三つ子。すげぇよなー弥厳は一気に兄弟が増えたって事だな。幸せそうだったよ、螢も弥厳も。


もう1組目は鶴姫とツルギ。此処までようやっと辿り着いたよあいつら。プロポーズはツルギからだってさ。よくやったよ。こいつらの結婚式、螢と弥厳夫婦が取り仕切ったからそれはそれは幸せムード満載の結婚式だったぞ。


あ、そうだそうだ。あのあと判明したんだが教官と朝陽、契約してたからあそこに行けたらしいぜ。その2人は今、順調に信頼関係を築きつつある。よく朝陽の兄弟と一緒に地方に出かけるんだってさ。今は教官の実家で大昔の歴史について調べてるんだと。少しでも教え子達の役に立ちたいって。頑張るなー教官。そう思わね?朝陽には倒れないように見張ってて貰わなきゃな。


名前が出なかった奴ら?そいつらは今、紹介するから待ってな。


『大戦』の前にあった会議で本部に発明品を作る奴がいただろ?そいつが作ってた異世界へ行く装置が完成した。そいつによれば他の異世界へ行く事が可能な装置だが行き先は決めれないらしい。

んでその装置を使って異世界へ調査しに行く調査部隊が新たに発足してな。壱華とシルク、西珠と白鉄、管狐と狐幸、んで俺と亜矢都が行く事になった。お前達を待つ以外やることがなかったからな。


今では月一で集まって、全員でお茶会してる。いろんな場所で俺達は約束通り、待ってる。だから、いつでも帰って来いよ。いつでも待ってるから。まぁ、俺が調査に行ってる異世界で会えたら簡単なんだけどな。どっかで会えたりしないかな。


そういえば、『大戦』の後、元お社が姿をまた変えたんだ。翼を広げた龍みたいだった奴が今は一年中枯れる事も落ちる事もない緑の葉を翼のように広げた大木になってる。その前には何故か依然としてお社が建ってる。まぁ、もう古いけどな。

立派な大木だ。お社の中には女神とその夫の小さな墓が作られた。本当に小さいものだけど、それでも神様にとってみれば嬉しいみたいでさ、亜矢都は泣き笑いしてた。きっと喜ぶって。


さて、俺はそろそろ、また異世界調査に行かなきゃならない。だから、暫くは異世界に行ってるな。早く帰って来いよ、本当に。光希は美味しいお茶見つけたって、壱華とシルク、弐薙はいい場所を見つけたって、鶴姫とツルギは美味しいお菓子を作ってたって言ってたからな。西珠と白鉄は酒、管狐と狐幸は食べ物、螢と弥厳は飾り付け、を担当するとか言ってたなー竜胆華丸と緋暮、教官と朝陽はやることがないってさ。可笑しいよな。んで、俺と亜矢都は迎え、だってさ。


早く帰って来いよ、みんな、待ってんだからさ。違う場所でも、ずっと。


しんみりとした空気にしちまったな、悪い。でも、これだけは本当だから。な、親友?

この間、見つけた詩…って言うか文?を最後に書き添えて俺は任務に行くとするぜ。なんか共感って言うか何て言うか、俺達みたいだなって思ったから。

それじゃ、またな。


〈ある日、女神は言いました。


「この世界は美しいでしょう?草花も空も海も人も神も、みんなが美しいでしょう?闇を落とす影だって、光がなければ生まれない。輝かせる光だって、影がなければ生まれない。此処は全てが共存した美しい世界なのよ」


と。


風よ、この声をの元へ届けておくれ

空よ、何処までも続いての元へ導いておくれ

花よ、その素敵な感情をの元へ運んでおくれ

海よ、荒波に揺られながらその鼓動をの元へ聞かせておくれ


光と影よ、の者が愛したこの、美しく愛しく優しい世界をどうかどうか、守っておくれ


その代わり、私達はいつまでもの者の帰りを待とう


それが私達との者を結ぶ唯一の絆である限り〉



斬原きりはら 千聖ちひろ



次でラストです!

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