表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
禁忌×戦闘ディストーション  作者: Riviy
第六章 Level『禁忌』
65/85

Mission65.大襲撃

ほんっとに、スランプ状態で停滞気味です…すいません…



「ッ」


国彦はそこら中に広がるその光景に目を疑い、鼻にくる異臭を腕で塞いだ。


〈なんじゃ、これは…〉


灯茉もその光景に目を疑った。

目の前に広がる、『忌鬼』の残骸と無数の戦闘支部隊員の血溜まり、負傷した隊員を治療する医療支部隊員に、崩れた落ちた玄関の瓦礫の山。辺りに充満する血のにおい。

崩れた玄関の向こう側ではまだ戦闘中なのか雄叫びや刃物が交差する音が響いている。


これは、いつも以上に凄まじい闘いだと全員が理解した。普通はこんなに負傷者が出ることはまずない。普通を上回る、と云うことは敵は強敵だと云うことだ。


「もっと医療支部を呼ばないとなぁ」

「そうだね。ボクが言っておく…もしもし?えーっとねー」


西珠の呟きに螢が同意し、後方支援支部オペレーター部隊に要請を頼む。見たことがない光景に動揺する国彦を千聖が宥めている。その背後でもまさかの状況に動揺しているのか宥めている声があちこちから聞こえてくる。とその時、誰かが力強い叫び声をあげた。恐怖を吹き飛ばすような声。雄叫びに近い。それに元気付けられたのか他の者達が次々に武器を掲げて叫ぶ。


「おめぇら分かってるなぁ!?」


西珠が大剣を肩に担ぎ直して第十部隊『神樂』に声をかける。返事は決まっているではないか。全員の口元が歪む。


「任せなって!ね、やっくん!」

〈承知に決まってる主!〉


螢と弥厳がぎゅっと手を握り合って笑い合う。


「御安い御用」


管狐が刀を握り締め、ニヤリと笑った。


「頑張ります!」

「やってやろうじゃねぇか!」

〈早よ片付けようぞ?〉


国彦と千聖がハイタッチを交わし、灯茉が袖口で口元を隠して笑う。


〈〈殺ってやるよ~?〉〉

〈準備は整っています〉


緋暮と竜胆華丸がやる気満々で言う。

そして、第十部隊を含めた全員が玄関の向こう側へと駆け出した。


国彦が出てすぐのところにいた『忌鬼』に大太刀を頭上から振り下ろし、真っ二つにした。他の者達が雄叫びをあげながら『忌鬼』に向かって行く。『忌鬼』の中には『アラーヴァ』も紛れているらしく隊員の何人かの足が復活を止めるために止まる。『忌鬼』の数は十数体、『禁忌』らしき者は今のところ見当たらない。


国彦はこっちに向かって来た熊の姿をした数個の瞳を持つ『忌鬼』に大太刀を構え、鋭い爪を防ぐ。その背後から千聖が大斧を振り下ろす。『忌鬼』がそちらに気を取られて振り返ったところに頭上から灯茉が攻撃した。それで『忌鬼』は倒れたが他の『忌鬼』達が国彦達の元に集まってきた。背中合わせになった3人は武器を構え、敵の出方を伺う。『忌鬼』達は『禁忌』が連れてきたためか知能が発達しているらしく、一体が刃物を振り回してなにやら指示している。千聖が目配せをして国彦と灯茉に指示を出す。2人は分かった、と後ろ手で小さくハイタッチした。好機、と見た『忌鬼』が3人に迫る。国彦が一歩、足を踏み出すとブンッと大太刀を振り回した。それらを華麗によけたら『忌鬼』達の頭上に灯茉が一瞬の隙に現れる。気を取られる『忌鬼』達の目を容赦なく潰す。そこに国彦と入れ違いになって千聖が大斧片手に現れ、胴体から真っ二つにしていく。国彦もそれに習い、大太刀を軽々と操って『忌鬼』達を倒していく。

が、『忌鬼』は倒しても倒しても増えて行く。減ることを知らぬ『忌鬼』は黒い靄と化した仲間の屍を越えて国彦達に攻撃してくる。


「くっそ。どんだけいんだよ!?」

〈ワタシも分からないわねぇ~!ちーちゃん、後ろ!〉

「?!」


千聖が増える敵に苦笑しつつ大斧を振る。が次の瞬間、亜矢都の警告に空中で後転しながら後退する。鋭い目でその敵を見据えると増えた敵だった。腕と同化した鋭い刃の切っ先には紅い血がついていた。それに千聖が頬に違和感を感じ、指先でなぞると血が出ていた。ニィと笑い、千聖は大斧に血を擦りつけた。途端に人型の亜矢都が現れ、千聖の手に新たな大斧が出現する。集まってくる『忌鬼』に千聖と亜矢都は笑い、


「とっとと殺るぞ戦闘神あやと!!」

〈おまかせあれよ、ちーちゃん!〉


『忌鬼』達に向かって跳躍した。


国彦は目の前の『忌鬼』を数体一気に大太刀で倒すと、息を整えながら周りを見回した。こんな勢いよく敵が増えるのはあの戦争たたかい以来だ。『忌鬼』を増やしている『禁忌』が何処かに絶対いるはず。

国彦と同じ事を思ったのか灯茉も周りを見回している。


〈!国彦〉


灯茉に呼ばれ、顔を向けるとそこには長さの違う武器を持った『禁忌』を相手にナイフで応戦している小乃刃がいた。国彦は驚愕しながらも叫ぶより先に駆け出していた。


「教官っ!」

〈第十部隊より通達。これより『禁忌』との応戦に入る。後は頼むぞ〉


灯茉が耳元のイヤホンから伸びたマイクに向かってそう言うと国彦の後を追って空中を滑るように移動した。


**


小乃刃は相手にしている『禁忌』と距離を取ると指の間に挟めたナイフを『禁忌』に向かって投げた。それを『禁忌』は右手の武器で弾く。小乃刃は後退すると相手の様子を伺う。自分は『禁忌』に攻撃は出来ても傷つける事など出来やしないのに。それを理解していながら、小乃刃は教え子や仲間の負担を減らそうと無謀とも言える闘いを繰り広げていた。


「ッッ」


と、小乃刃は息を飲んだ。何故なら目の前に先ほどとは違う『禁忌』が現れたからだ。


「2人組だったのか?!」

〈〈そういう事じゃないけど、合ってるよね〉〉


別の『禁忌』は横笛を小乃刃に向かって振った。その後ろには相手にしていた『禁忌』がいることに気づいていた。絶体絶命…?!


「教官!」


その声と共に2人の『禁忌』が後退する。小乃刃の隣には大太刀を構えた国彦と灯茉がいた。


「神居、お前…」

「未熟ながらお手伝いさせていただきます!」

「ったく…」


国彦の答えに彼女はクスリと笑った。嗚呼、なんと良い教え子だ。

嗤ったのは敵である『禁忌』の一人、横笛を持った者もだった。灯茉が相手に気づき、眉を潜める。国彦もそれに気づいて睨み付ける。そして国彦と灯茉は緋暮が執拗に憎んでいたであろう『禁忌』の一人に向かって跳躍した。

教官は『禁忌』に攻撃は出来ます。しかし、傷つける事が出来ない、つまり、『禁忌』にとっても彼女にとっても無意味な闘いです。しかし、それでも己の目的のために刃を振るうのです……



・戦闘支部防衛部隊

長谷部大御神はせべおおみかみ

戦闘支部防衛部隊、副隊長の臣下。守護神。通称、長谷部。管狐の臣下、狐幸の弟

眼鏡。武器は大盾

主である副隊長の呼び名は大将 or 大将バカ

推定25歳、187cm

第一人称:私 第二人称:貴様


栗粟くりあわ 弐薙にな

戦闘支部第十二期候補生。今は戦闘支部防衛部隊所属。壱華の妹。壱華の事を兄さん、またはいちと呼ぶ。二歳違い。

20歳、166cm

第一人称:私 第二人称:名前ちゃん・くん


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ