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禁忌×戦闘ディストーション  作者: Riviy
第六章 Level『禁忌』
64/85

Mission64.始まった恐怖

ウチは終盤とかにシリアス入れないと生きていけない病なんですかねホントにスランプ状態!


部屋に戻り、ベッドの縁に座った緋暮を見ながら、竜胆華丸は心配した顔をしながら腰につけている脇差を外す。


〈どうしたの?〉

〈〈………………〉〉


緋暮のだんまりはなにかあった時だ。竜胆華丸は軽くため息をつくと机の上に脇差を置きながら言った。


〈何か言ってくれないと困るよ………もう、失いたくはないのに〉

〈〈!〉〉


悲しそうな彼の声に緋暮はハッとして顔を上げた。やってしまった。竜胆華丸は哀しそうに笑っていた。竜胆華丸がしている黒い彼岸花が彼の心情を表すかのように小さく揺れた。それに緋暮は気まずそうに体育座りをすると足の中に罪悪感と云う感情を吐き出すように顔を埋めた。竜胆華丸は何も言わずに彼の隣に腰かけていた。


**


その翌日もそのまた次も、彼らは淡々と『禁鬼』と『アラーヴァ』討伐に精を出していた。いつ『禁忌』が襲ってくるかはわからない。しかし、こちらが緋暮の証言から有利な立場であると云うことが彼らの安心を作り出しているようだった。


ードッッカーーーーーンンンン!!!ー


しかし、いつもそれを壊すのは恐怖と、突然にやって来た悪寒である。

大きな音と共に土煙が舞う。


「!?おいあれ!」


誰かが叫んだ。その途端、驚愕の声が各場所から上がる。その光景に全員の顔からサーっと血の気が引いていく。そこには組織の玄関を盛大に壊した数体の大型『忌鬼』とそれらを従える『禁忌』が悠々と立っていた。

来た。誰がというよりも全員が察した。二度目の襲撃。しかも、本拠地に攻め込んで来た。どんだけ行動力があるのだ。襲撃を受けたのはこの前なのに、『禁忌かれら』に遠慮と云うものがないのだろうか。いや、あるわけないか。緋暮以外。


『禁忌』がニィと嗤った。口元を三日月に歪めて。ゾワリ、悪寒が襲う。体が恐怖に、絶望感に、驚愕に、動きを止める。足が、動かない。動かないといけないのに。行動に移さないといけないのに!

動きを止めてしまった全員が恐ろしい、正体不明の『禁忌』を前に屈辱のあまり顔を背けそうになる。その時、


ーガキンッ!ー


〈〈?!〉〉


突然、『禁忌』達の足元にナイフが突き刺さった。突然の出来事に『禁忌』達が驚き、『忌鬼』達が半歩下がる。

組織の者達は目を見開いていた。ナイフを使う人なんてこの組織に一人しかいない。


「狼狽えるなっ!」


カツンッと踵を鳴らして指と指の間にナイフを挟めた小乃刃が彼らの前に奥から歩いて来た。小乃刃がナイフ片手に『禁忌』達を睨み付けながら鼓舞するように大声をあげて指示を出した。その声は怖がらなくていい、自分の目的を果たせと言っているような気がした。武者震いが、止まらない。

力が戻ってくる。戦闘支部所属の隊員の臣下が武器を持ち始め、ゆっくりと相手を警戒するように一人一人、武器を持ち、他の支部が後退り、後退の機会を伺う。それにを横目に小乃刃は再び大声で指示を与えた。


「戦闘支部隊員に告ぐ!後方支援支部、及び医療支部が後退し、情報を与える時間を稼げ!」

『はい!!』


戦闘支部隊員が一斉に『忌鬼』、『禁忌』に向かって自らの臣下と共に跳躍する。それを合図に後方支援支部と医療支部の者達が奥に向かって駆け出す。『禁忌』がそれを止めろと『忌鬼』に指示を出そうとするがもう遅く、目の前に、戦闘を主とする戦闘支部の無数の刃が迫っていた。戦闘支部かれらから逃れる事は、出来ない。決して。




「?なんの音…?」


建物内の三階にいた第十部隊は下から響いた地響きに困惑した様子だった。情報はまだなにもない状態で、そこにいた全員は知らず知らずのうちに武器を構えていた。


〈兄上!〉

「あに…うえ?」


突然聞こえて来た単語に千聖が首を傾げる。国彦と共にその方向を見るとあわてた様子でこちらに走ってくる狐幸の弟、長谷部がいた。その後ろからは朝陽も慌てたように走って来ている。長谷部はたまたま人型だった狐幸の前に息を切らして辿り着く。狐幸や管狐が心配そうに彼を見る。


〈どうしたのです?〉

「朝陽もどうしたの?」


狐幸と追い付いた朝陽に問った螢の声が重なる。2人は息を整えてバッと顔を上げ


〈〈『禁忌』が襲撃して来た!!〉〉

『…………はぁああああ?!』


同時に言った2人の言葉にそこにいた第十部隊ならず、全員が驚愕の声をあげた。

今、来たのか?!遠慮とかしろ!


〈で、他には何か情報はないのか?〉


いち早く冷静になった灯茉が聞くと長谷部が申し訳なさそうに首を振った。


〈悪いが今、私も下の階にいた奴等から聞いたばかりで情報は何も無いに等しい〉

〈同じく俺も〉

「……とりあえず、指示待ち?」


長谷部と朝陽の答えに国彦がんー?と首を傾げながら言う。情報が無いに等しい現状で勝手に動いて被害が拡大したらもとも子もない。どうするべきか。

と、西珠が大剣を担いで悩む彼らに言った。


「なぁーに悩んでンだよぉ。オレらは戦闘支部だろ?……だったらやることは?」

〈『禁忌』を倒すだけ、だろ、隊長?〉


西珠が満足そうに笑った。そう、そうだ。自分達は戦闘支部。何を悩む必要がある?

西珠の言葉に喚起されたのは第十部隊だけではなかった。他の者達も「やってやるか!」と意気込んでいる。

長谷部が眼鏡をクイッと上へ軽く上げる。管狐が狐幸と頷き合い、狐幸が刀になって彼の手の中に収まる。千聖が大斧を担ぎ、螢と弥厳が互いのやる気を確かめるように頷き合う。朝陽が呆れたような表情をしながらも真剣な面持ちになる。緋暮がぎゅっと両の拳を握り締めてやる気を見せ、竜胆華丸が後ろ腰にある脇差の柄にいつでもどうぞと云うように手をかける。灯茉が国彦を見ると彼の瞳には皆と同じやる気が満ちていた。ぎゅっと大太刀を胸に抱きしめる。

やる気は上々。と、その時、


【緊急事態発生、緊急事態発生!『禁忌』及び『忌鬼』が建物内一階の玄関を破壊し、襲撃して来た!戦闘支部は隊長の指示に従い、各自行動に移せ!後方支援支部、並びに医療支部は各自の行動に着くとともに支部長からの指示を待て!繰り返す、ーーー】


放送を聞いて第十部隊は隊長である西珠が口に出さなくても言おうとしていることが分かった。

さあ、


「行くぞおめぇら!」

『はい!』


目的を果たすために



・本部直轄部隊『紅華七剣こうかしちけん

まさ

本部直轄部隊に所属する神。幹部である一人の臣下で近の双子の兄弟。近とは仲が悪く喧嘩をよくする、がはたから見れば仲が良く見える……かな?

身近の者達には後方支援支部所属と言っている。

推定17歳、179cm

第一人称:オレ 第二人称:アンタ


ちか

本部直轄部隊に所属する神。幹部である一人の臣下で政の双子の兄弟。政とは仲が悪く喧嘩をよくする、がはたから見れば仲が良く見える……かな?

身近の者達には後方支援支部所属と言っている。

推定17歳、180cm

第一人称:俺

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