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禁忌×戦闘ディストーション  作者: Riviy
第五章 散ってしまった花言葉
53/85

Mission53.煙の向こう側と新たな味方

書き溜めてたのが大量になりました(笑)



煙が自分自身を包んだ事は分かっていた。煙が晴れたと感じ、国彦は目を開けた。


「えっ?!」


そして驚いた。上も下も右も左も、全部真っ黒な空間にいたからだ。他の全員がいる事に安堵しつつ、国彦は事の元凶である『忌鬼』達を見た。彼らの背後に一瞬、“誰か”見えた気がしたが気の所為だろう。


「こいつはなぁ…!」

「はぁ。大変な事になった」


西珠と管狐が呆れたような物言いで言葉を紡ぐ。その隣では弥厳が両のオッドアイを輝かせて力を使っていた。国彦も自分の隣に立つ灯茉に何か良い案はないかと見上げるが、彼は難しい顔をしている。

と、弥厳が片目を抑えて痛そうに顔を歪めた。すぐさま螢が「大丈夫?」と駆け寄る。


「やっくん?」

〈…くっそ。オレの力じゃ分かんない〉

「とりあえず、あいつらぶっ倒せば良いんじゃね?」


弥厳がすまなそうに言う横で千聖がニヤリと笑って言う。そうだ、グダグダ考えててもどうにもならないのなら、倒すしかとりあえずの方法はない。全員が武器を構え、『忌鬼』達も構える。そして


「行くぞ!」


西珠の掛け声が合図となって両者、相手に向かって跳躍した。


国彦、灯茉、千聖の相手は少し大きめの、中型の『忌鬼』数体だ。螢や弥厳の方に小型が行ったので大きめの武器を振り回している国彦と千聖にとっては小さい標的よりも大きめの標的の方が良い。

千聖が大きく大斧を『忌鬼』数体の群れに振り下ろす。四方八方に逃げて行く『忌鬼』達に国彦が大太刀を振り回す。大太刀の風圧に『忌鬼』の体の一部が切断されていく。千聖は国彦に頭上から迫ろうと様子を伺う、羽を持った『忌鬼』に気がついた。自分が跳躍してもギリギリ届くか届かないの間。千聖はブンッと大斧を振り、近くにいた数体の『忌鬼』を真っ二つにすると振り返る。ちょうど国彦が大太刀で一体の『忌鬼』を討伐したところだった。


「国彦!」

「分かってる!」


千聖が言おうとした事が分かったのか国彦は大声で叫び返す。と注意が散漫だった国彦の武器を『忌鬼』の刃物が叩き落とした。国彦は手首を抑え、相手を睨みつける。『忌鬼』はどうだと言わんばかり。だが、


大太刀ぶきだけに頼る僕じゃないからね?」


次の瞬間、国彦は回し蹴りを放った。『忌鬼』の武器を返り討ちで弾き飛ばし、その腹を蹴り上げる。足元を刈って、倒れる『忌鬼』を再び、回し蹴りで吹っ飛ばす。吹っ飛ばされた方向にいた千聖が大斧を横に振って切り刻んだ。『忌鬼』が黒い靄と化したのを確認して千聖は国彦の大太刀を拾い上げると彼に投げ渡した。それを受け取り、国彦はそのまま集まってきた『忌鬼』に大太刀を振った。


その頃、頭上でたむろっていた羽を持った『忌鬼』は背後からの気配に身を震わせ、片翼でそれを防いだ。


〈おや。防ぐとは小賢しいのぉ〉


灯茉は防がれた事に不愉快そうに顔を歪めたが左手を振り上げた。ズバリ、良い音とともに『忌鬼』のもう片方の羽が切り落とされる。高度が下がって行く『忌鬼』を灯茉はニヤリと笑って見下ろしていた。


〈上出来ねぇ灯茉〉


地面にー黒い空間だがーに受け身をとって着地しようとしていた『忌鬼』の背後から突然聞こえたその声。2つの刃物が同時に迫り、『忌鬼』の体を切り裂いた。国彦と千聖は片手を上げてハイタッチを交わす。灯茉も降りて来て控えめに2人とハイタッチを交わした。


〈主、槍貸して!〉


小型を相手にしていた螢と弥厳。弥厳は螢に向かって声を張り上げる。螢が小型数体を槍で倒した後に弥厳に向かって槍を投げ渡した。それを受け取り、弥厳は槍を踊るように振り回す。途端に残っていた『忌鬼』達が粉々になって消えて行く。その光景を螢は見惚れたように見ていた。

弥厳がこちらに戻って来てハッと我に帰った螢は槍を受け取り


「さすがやっくん!!」

〈螢が減らしてくれてたおかげだよ〉


そう言い放った。このような場所でなければ愛しい彼に抱きつく勢いだ。2人は軽くハイタッチを交わして、大型を相手にしている西珠と管狐の元へと駆けた。


**


「第十部隊『神樂』応答せよ!『神樂』応答せよ!!」


任務状況担当の者はしていたヘッドフォンを苛立ちのあまりキーボードに叩きつけた。


「くっそ!!異空間に取り込むってどんな『忌鬼』だっつーのっ!後輩ちゃん!!」

「なんですか先輩!」


担当は隣の後輩を苛立った声で呼び出すと後輩はビクリと担当の苛立った声に背筋を伸ばした。


「研究部隊に内線繋げてくれ!第十部隊が異空間に取り込まれt〈その話、詳しく聞かせて頂けませんか?〉?」


担当は後輩に出そうとしていた指示を遮った声を振り返った。いつの間に。

廊下からの逆光を浴びながらこの部屋の入り口に立つ2つの人影。1つは空中にふわふわと浮いており、1つは何処ぞの兵隊のように規律正しく立っていた。


「嗚呼!!断定『禁忌』!!」


誰かがそう叫んだ。後方支援支部で知らぬ者はいないほどのある意味有名人、緋暮とその主、竜胆華丸だった。変なあだ名に緋暮はムッと顔をあからさまにしかめた。

後方支援支部オペレーター部隊が2人を見て口々に言い出す。「何しに来た」「裏切るための作戦練りに来たの?」「『禁忌』から情報を取れるのかねぇ」「怖い」憎悪、恐怖、好奇の目と声が2人を包み込む。担当と後輩が口々に言う同僚達に嫌そうに顔を歪めるが2人は知ったことかと平然としている。


〈……俺達が怪しいと思うなら戦闘支部第ニ部隊にでもお聞きください。あちらが嘘を仰らなければ、俺達は彼らと数時間、共にいたことがハッキリするでしょう。それでも納得できないなら医療支部にでも確認を取ってください。でも……〉


スゥと竜胆華丸は目を細めた。悪寒が走る。これは神の威圧。神の怒りの前触れ。


〈私の臣下を蔑むなら許しはしない。そして私は別の依頼で来た。貴殿方が文句を言うのは致し方ない事としておきましょう………〉


竜胆華丸の視線が担当と後輩に向けられた。“別の依頼”、つまりは。


〈説明を願います〉


こいつは、味方だ。

担当は直感的に確信した。



感情が高ぶった時とか怒った時に口調が変わるキャラってウチは好きですが、皆さんはどうですか?(唐突の問い)

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