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禁忌×戦闘ディストーション  作者: Riviy
第五章 散ってしまった花言葉
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Mission51.橙色の夕暮と黒い彼岸花



「と、云う事でうちで預かる事になった!」

「「……………説明しろ西珠ぁぁあああああああ!!」」


国彦が無事退院し、翌日。隊長・西珠が連れて来たのはあの戦争たたかいで捕らえられた子供と少年だった。そしてほぼなんの説明もなく西珠が何故か胸を張って言ったので千聖と管狐が説明しろと怒鳴った。螢と弥厳が2人を落ち着かせている間、それを退院したばかりの国彦と灯茉が苦笑いで見ている。此処はいつものラウンジだが他の人達は任務に駆り出されているので実質、第十部隊の貸し切り状態である。


「ちゃんと説明しろ西珠!お前隊長だろうが!」

「いやぁーオレでも頭が痛くなるほどの重要性と難しさでなーお前らに分かるかどうか心配d「俺は理解出来るだろうな」……喜べばいいのか悲しめばいいのか…」


西珠がハハハと笑う。西珠じぶんには理解出来なくても管狐は理解出来るので良かったと思えば良いかと西珠は自己完結すると説明をしようとする。が、少年が〈わた…俺が説明しましょう〉と名乗り出た。それには全員が全員、目を丸くした。西珠が自分よりも本人からの方が良いだろうとどうぞ、と促した。


〈お言葉に甘えて、説明させて貰います。以前の戦争たたかいで捕らえられた子供は『禁忌』であると断定されました。『禁忌』側の全ての情報を提供する代わりに此処、戦闘支部第十部隊『神樂』に所属させて欲しいと云う要求を飲んだため、此処に『禁忌』である子供と俺がいます………嗚呼、ご心配なく。えぇっと、契約を結んでいるので貴殿方には危害を加えません。怪しい行動をしていた場合は……こちらで対処致しますので〉

「え、いやいやちょっと待って待って?!『禁忌』?!契約結べるの?!」

〈螢、落ち着けって〉


螢が驚いたように叫ぶと弥厳が落ち着けと宥める。


「えぇっと?つまり監視役って事?」

〈………『禁忌』を容易に出しても大丈夫なのか…?〉


国彦が首を傾げて言い、灯茉が訝しげな表情で『禁忌』らしいあの時の子供と少年を見やる。話の中心であろう子供は暇になったのか辺りをキラキラとした眼差しで眺めている。少年は戸惑ったような顔をし、説明した。


〈わた……俺が強制的に契約を結び、主となりましたのでご心配なく。一度『神狩り』をされたので半信半疑でしたが契約できました。何かあった場合は俺が責任を取ります、監視役なので〉


少年の真剣な瞳と声に全員は押し黙った。彼は真剣だ。それに一度『神狩り』をされた、と云う事は“脇差の子”と云う事だろう。彼は信用出来る。誰が言うまでもなく全員がそう思った。しかし……『禁忌』は……


「かぁ〜とりあえず、お前ら、自己紹介しな」


西珠が頭をかきながらそう促した。少年が軽く頭を下げた。少年が『禁忌』…子供を第十部隊の方へと呼んだ。子供は少年の元へとやって来ると目の前にいる国彦と灯茉を見ると嬉しそうに笑った。それに国彦が首を傾げ、灯茉が彼を守るように少し背で隠した。それでもニコニコ笑っている子供は本当に『禁忌』なのか疑いたくなる。あの闘いで見た出来事も。

少年が自己紹介を始める。


〈それでは失礼して…俺は竜胆華丸りんどうはなまると言います。医療支部の皆さんからはリィと呼ばれていましたので貴殿方もそのようにお願いします〉


少年、竜胆華丸りんどうはなまるは黒緑色のセミロングで左目を髪で隠している。瞳は緑色。右手首に小さな彼岸花がついたブレスレットをしている。服は漆黒色の軍服で下も漆黒の長ズボン。黒のブーツを履いており、ズボンの下だ。後ろ腰に脇差を横に帯刀している。


少年、竜胆華丸は子供に挨拶しろ、と促した。子供は楽しそうに頷いて自己紹介した。


〈〈はーい!僕は緋暮ひぐれ!『禁忌』だけど、竜胆華丸たいしょうさまの命令には従うから大丈夫だよ〜まぁ……面白そうなものがあるからねぇ〜…〉〉


バシリ、と竜胆華丸が愉快そうに嗤った子供の頭をやめろと叩いた。子供は叩かれた頭をさすりながら竜胆華丸を見上げた。


子供、緋暮ひぐれは丹色のショート。瞳は向日葵色。服は薄めの赤色の半袖シャツに茶色の半ズボン。首には暑くないのか、白い(所々赤い点があるが)マフラーを巻いている。両手首には手錠がかけられている。浅蘇芳色のニーハイソックスに焦茶の少しぶかぶかのブーツを履いている。


2人の自己紹介が終わり、こちらの自己紹介は大丈夫だろうと西珠は踏んだ。どうせ、この2人(特に竜胆華丸)は資料を見て自分達の事を知っているだろうと思ったからだ。


「んじゃあ、任務行くかぁ〜」

「え、この2人も行くの?」


国彦が灯茉の背から顔を出して西珠に聞いた。その問いには螢や弥厳も同じことを思っていたらしくうんうんと同時に頷いた。管狐が西珠の持つ資料を覗き込んだ。その問いに管狐が代わりに答えた。


「今日は行かないみたいだな」

『え』


それには逆に西珠と管狐、2人以外が驚いたように声をあげた。竜胆華丸が〈はい〉と言って説明を始めた。


〈此処で預かってもらう事になりましたが他の部隊にも回る事が指示されていますので今日は行きません。“今日”は〉

〈ふぅーん。だってさ〉

「………」


竜胆華丸の説明に弥厳が疑問に思っていた彼らの内心を代弁するように納得したように呟いた。が千聖は竜胆華丸の言い方に何やら感じたのか怪訝そうに顔をしかめている。と、竜胆華丸が頭を下げ、〈それでは失礼します〉と言って緋暮の手錠を引っ張って去って行こうとする。その背に灯茉が言った。


〈そやつの鎖、離すでないぞ。小童〉


灯茉の声には並ならぬ圧力がかかっているように感じ、国彦は慌てたように彼を宥める。緋暮が前を向いたまま楽しそうに笑い、それを見た竜胆華丸は苦笑しつつも振り返らずに答えた。


〈お望みとあらば〉


**


そしてそして、本日の任務に出発した第十部隊『神樂』。本日の任務はいつも通り『忌鬼』討伐。『アラーヴァ』が出ないだけ幸運である。


千聖が大斧を担いだまま考え事をしている事に国彦は気づき、辺りを一応警戒しながら彼に声をかけた。


「千聖、どうしたの?考え事?」

「あ、国彦。んーまぁな、なーんかあいつが引っかかって」

「?あいつって?」


ザンッと千聖が大斧を地面に刺し、首を傾げる国彦の方を向いて言う。


「竜胆華丸…だっけ?そいつ。なぁーんか知ってる気がすんだよなぁ…」

「へぇ。千聖でも物忘れしちゃうんだね」

「うるせい」


ガシリと千聖が国彦の頭を掴んだ。国彦がそれから逃れようとしながら笑う。それを見ていた他の仲間達もクスクス笑い、千聖も笑う。ただ一人、嬉しいのか不安なのか分からない笑みを灯茉は浮かべていたが。


ーザクー


草木を踏む音に全員が身構えた。全ての『忌鬼』は倒したがまだいても不思議ではない。だって『禁忌』が逃げ出しているのだから。全員が警戒を強め、武器を構える。ザクザクと音は次第にこちらへ近づいてくる。敵か、味方か。

音は次第にこちらに近づき……何故か増えている。と言うことは…


「『忌鬼』?!」


誰かが叫んだ。その途端、正体が暴かれた音は一斉にこちらに向かって駆け出し、その姿を露わにした。


眼帯キャラの眼帯の下ってどうなってるのか気になる(←唐突)

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