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禁忌×戦闘ディストーション  作者: Riviy
第二章 戦闘支部第十部隊『神樂』
21/85

Mission21.主組のお茶会なう!



と、言うことで国彦、千聖、灯茉は久しぶりに光希と壱華、シルクと集まって食堂でお茶会をすることにした。国彦達の誘いで鶴姫とツルギも参上し、光希が紹介したいと息巻いていた人物も参上した。


「はい!これ」

「すっごーい!これくー兄が作ったの?!」

「まぁ…素晴らしい出来ですわ」


国彦が全員が囲むテーブルにお手製のお菓子を置いた。甘い香りが漂う菓子類に彼らは国彦を思い思いに褒め称えた。それに国彦は照れたように笑う。


〈千聖がリクエストしたマフィンも国彦が作っておったぞ〉

〈これはまた可愛らしいリクエストでございますね〉

「おい!!」


今度は千聖が恥ずかしそうに叫ぶ。灯茉はからかうためであろうがシルクにとっては悪気など一切ないのだから余計に恥ずかしい。これには亜矢都も笑うしかない。


「あら、わたくしもマフィンは大好きですわ。仲間でございますね千聖様」

「…嗚呼…そうだな」


鶴姫のフォローに千聖はついに開き直った。もう、いいや。

国彦が千聖にごめんねと苦笑する。千聖は気にするなと手を軽く振った。すると光希がそうだ!と声を上げた。


「あたし達はあたし達で、臣下は臣下でお茶会なんてどお?」

「なんでまたそんな?」

「臣下同士で交流を深めるのもイイと思って♪」


光希の案に全員が賛成した。ちょうど聞きたいことがあったんだ、と臣下の方ではすでに話題が決まっているらしい。がそこで千聖が疑問を口にした。


「壱華はどうすんだ?シルクが代弁してたのに」

〈その件でございましたらあちらの方が〉


シルクが尻尾で示した先にいるのは光希が紹介したいと言っていた人物、女性であった。女性…だが少女らしさが残る女性だ。何処と無く壱華に似ている気がする。


〈誰じゃ?〉

「嗚呼!彼女はね!」


光希が待ってました!と言わんばかりの勢いで女性を見る。女性は少々、注目されて照れたように頬をかくと光希が紹介した。


「この人はいち兄の妹さんで弐薙になさんって言うの!」

「壱華って妹いたんだな」


千聖の言葉に壱華がコクリと頷いた。


「改めまして兄さんの妹の栗粟くりあわ 弐薙になって言います。宜しくね」


女性、栗粟くりあわ 弐薙になは瑠璃色のロングヘアーで少量の髪をポニーテールにしている。瞳は濃い紫色。結び目に菫の髪飾りをつけている。服は白と薄紫を基調とした肩が出る服でその服の下にはタンクトップを着ており、下は紺色の長ズボン。靴は編み込み式の黒のブーツ。


弐薙の自己紹介にハッと我に返ったように鶴姫が自らの自己紹介を行った。


「申し遅れました、わたくし、五紋時ごもんじ 鶴姫つるひめと申します」

「宜しくね、えーと、鶴ちゃん」


弐薙からそう親しい呼び名で呼ばれた事に鶴姫は嬉しそうに微笑んだ。


**


全員分の自己紹介を終え、主と臣下でテーブルを分ける。弐薙の臣下は点検中でいないそうでシルクの代わりに壱華の代弁を任された。いつも寝ていると云う光希の臣下、アイリスも一応、臣下の方へと移動させた。

国彦が作ったお菓子を2つに分け、鶴姫とツルギが持参したお茶をコップに注いで、さあ、準備はOK!


「………でさー何話すの?」

「そういやこっちに話題なかったな」


国彦と千聖が言う。任務の事を話題にしてもいいかもしれないがほとんどの任務は同じものが多いのでそんな任務の話をしたって楽しいかどうか。


「それじゃあ、定番聞く?」

「「?」」


弐薙が言った事が分からず、国彦と壱華が首を傾げた。千聖は少なからず理解したのか椅子をギコギコ揺らしている。理解した光希と鶴姫がキャッと恥ずかしそうな声を上げる。

弐薙が国彦が作ったお菓子、クッキーを一つ摘みながら言った。


「恋バナ」

「「賛成 (ですわ)!!」」

「それは女子の場合だろうが」


勢い良く肯定した2人を宥めるように千聖が言う。定番の意味を理解した国彦が千聖に同意するように頷く。壱華はと言うと身内と友人の恋愛事情が聞けるとあってか乗り気である。弐薙がニヤリと笑って壱華に確認を取ると彼はコクリと頷いた。


「はーい、4対2。これでもまだ恋バナじゃない話題探す?」


弐薙がクッキーを食べながらそう問う。千聖が諦めたようにため息をついた。残りは国彦のみ。国彦も諦めたらしくしばらくして、コクリと頷いた。光希と鶴姫が小さくハイタッチした。


「じゃああたし!あたしからね!」


お茶を少量飲んでから光希がふふふ、と笑って先手を取る。


「つる姉、好きな人いるでしょ?!」

「わ、わたくしですか?!」

「鶴姫は尊い最初の犠牲になった…」

「千聖、犠牲は失礼じゃないかなぁ」


指名されて驚く鶴姫とは裏腹に千聖は若干棒読みで言う。恋バナは聞くが巻き込まれるのと告げる側になるのはごめんらしい。国彦から諭されるのを軽く流し、彼が作って来たマフィンを頬張った。

鶴姫は白い頬を赤く染めて言う。


「ふふ、申し訳ありませんがお答え出来かねますわ」

「えぇーなんで?!はっ!此処にすでにいるとか?!」

「ご想像にお任せいたしますわ」

「なんと?!」


鶴姫の答えに光希と弐薙がわー!と盛り上がる。国彦と千聖は鶴姫の想い人になんとなく察しがついていたが言わないでおいた。光希と弐薙が鶴姫に「誰?誰?」と詰め寄る横で壱華がふいに千聖の服を引っ張った。


「ん?」

「……………………」


マフィンをゴクリと飲み込んで千聖が壱華を見る。なにやら期待するような眼差しに千聖はもちろん、それを見ていた国彦も壱華がなにを聞こうとしているのか分かった。千聖は天井を仰ぎ、力無く言った。


「………壱華ご指名で俺か…」

「ちー兄の恋バナ?聞きたい!聞きたい!」

「壱華様、ナイス選択でございますわ!」

「兄さんさっすがー!」

「…これって次、僕っぽい?」

「そうだぞ国彦。次お前な」

「千聖酷い!」


ついでと言わんばかりに千聖は国彦も道連れにする。男子達の恋バナを聞けるとあって女子達(光希は男の娘)がざわめき立つ。壱華はニコニコと話を楽しみにしている。

千聖はお茶を勢い良く煽ったあと、コップをテーブルに置いて告げた。


「俺はいない。いたらとっくに紹介してる」

「へぇ、兄さんから聞いてたけど、千聖くんて真面目って云うよりも…なんて言うのかな?大雑把?」

「にー姉それ正解」

「うるせーぞお前ら!」


光希と弐薙の方へ身を乗り出して千聖が軽く拳を振り上げるとフリと分かっている2人はきゃーと棒読みな悲鳴を上げた。千聖は光希が手元に置いていたマフィンを隙有り!と奪う。光希が「あー!!」と怒ったように叫び、鶴姫と壱華が笑う。


「国彦、次お前な。マフィンは貰う」

「ちー兄!それあたしのぉー!」

「まぁまぁみっちゃん。まだお菓子あるからいいじゃない。ほら、早くしないと兄さんが‘全部食べちゃうよ’って」

「それは大変ですわ。わたくしはマカロンをいただきます」


弐薙の壱華が言おうとしていた事の代弁に鶴姫が急いでマカロンを2つほど持っていく。千聖がマフィンを1つ持って行き、それに釣られるように国彦もマフィンを持っていく。さすがに壱華に全部食べられてはかなわないので光希も身を乗り出してクッキーを4個と最後の一つになっていたプチシュークリームを取った。最後に残ったのは少しのクッキーのみ。それを壱華は狙っていたのか一つつまんで美味しそうに頬張った。


「それにしても国彦様はお菓子作りが御上手ですね。羨ましい限りですわ…」

「へへへ…今度教えようか?」

「いいんですの?!」

「勿論」


鶴姫が嬉しそうに微笑む。それに国彦も笑う。


「あ、僕も好きな人いないから」


そしてついでのようにさらっと言った。さらっとついでのように言った事が千聖と光希からからかわれる原因にこのあとなってしまったが。


女性キャラ少なくて増やそうとしたらこうなった。でも後悔はしていません!

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