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野中の目まぐるしき日々  作者: ぞえ
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そもそも僕は影が薄い存在だ。

どれくらい薄いかと言うと、かれこれ1年以上本屋でアルバイトしているのだが、今だに入口から出勤した時に「いらっしゃいませ」って言われるのだ。入口で言われるのはわかるが、ロッカールームへ行く途中の売場で目が合ってるにも関わらず笑顔で「いらっしゃいませ」と言われるのである。

さらに、満員電車にも関わらず誰も僕の隣の席に座らないことなんて毎回のことだ。


おそらく藤原さんも僕の存在など知る由もないだろう。

この状況を打破すべく僕の呼びかけに答えたカロム部諸君で全校生徒に存在をアピールすべく校門前でボリビア民族舞踊を舞い続けた。

30度を超える炎天下の中来る日も来る日もそれは見事に舞い続けたのである。

10日ほど経ったある日、風紀委員・委員長山河さんが一刻も早くこのくだらない踊りをやめるよう抗議をしてきた。

ぐちぐち出るわ出るわ馬事罵倒の嵐。しかし僕はグラマラスな体型の山河さんの罵りに性的興奮を覚えるような変態さんではないのだ。

では、なにを覚えるのか? 痛みだ。

このままでは心が折られ泣いてしまう。おそらく他の精鋭達もそうだろう。

我々は逃げることにした。


とにかく走った

しかし哀しきかな我々カロム部は文化部だ。運動音痴さんたちの心のオアシスのような場所なのだ。

いつしか僕1人になってしまったが、捕まってしまった精鋭たちの悲鳴を力にかえとにかく走った。

そして、辿り着いた先は僕がアルバイトをしている本屋「ええいじゃないか堂」である。

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