その4 トビィ編
長編恋愛ファンタジー DESTINYの主人公アサギの義兄・トビィによる口説き文句です。
■キーワード1 『雪』
「アサギ、寒いから窓を閉めなさい。風邪ひくだろう?
でも確かに綺麗な純白だ、不思議に光って目を奪われる。飛び込んでくる息を飲むほどの美しさは……アサギに似てるな。
誰にも汚されない様に、護りたくなる」
■キーワード2 『月』
「ん? あぁ、気にするな。
ただ……月光を浴びているアサギの背中に見惚れていただけだから。相変わらず、艶かしいことで」
■キーワード3 『花』
「アサギは花が良く似合う、どんな花を髪に飾ろうか、贈ろうか。
まぁ、でも……一番美しい花はアサギなのだから、何を贈っても皆同じ、か。
愛しいアサギ、君が美しく咲き続ける為にオレは……何をすれば良い?」
■キーワード4 『鳥』
「傍にいて、その美しい声で鳴いてくれれば。オレの名を呼んでくれれば、それで良い。
自由に空を飛んで、時折戻っておいで。
……オレはいつでも、アサギの傍にいるから」
■キーワード5 『風』
「少しだけ、記憶がある。嵐のような風の中で、アサギがオレに手を伸ばしたんだ。
必死に腕を伸ばして、指先が触れて。指を絡めて腕を掴んで引き寄せた。
腰に手を回して胸に押し込め……そんな、記憶があるよアサギ。
また、そんな風が吹いたら。オレは今度こそ、そのまま攫っていってしまおうか」
■キーワード6 『無』
「静かだな。こういうのも好きだけど。
……寒いか、アサギ。こちらへもっとおいで。こうして二人で毛布に包まって……肌を温め合うと……昔を思い出す。
あれは、幸せな時間だった。何もなくて良い、アサギが居れば、何もいらなかった。
それは今でも、変わらないよ」
■キーワード7 『光』
「雪の仄かな光も、神秘的な月光も、朝露に濡れて光る花も、朝陽に向かって飛ぶ鳥も、風に舞い散る花弁たちも。……全ての光の源は、アサギ。間違いなく、君だ。
その光を独り占め出来たなら、オレは。……なんでもない、愛してるよ」
■キーワード8 『水』
「雨、か。こちらへおいで、アサギ。濡れると風邪をひく……。
髪に水滴が……。
あぁ、すまない、真珠みたいで、見惚れてた。そういえば地球には人魚姫、という物語があったな?
なるほど、こんな感じなんだろうな……。でも安心しろ、あんな最後にはさせないから。
オレは、自分を助けてくれた姫がアサギであると気付くよ」
■キーワード9 『火』
「頬が赤いな……どれ? あぁ、熱っぽいじゃないか。だから言っただろう、風邪をひく、と。
おいで、アサギ。その熱、オレが冷ますから。大人しく、身を任せれば問題ない。
そう、そのままおいでアサギ」
■キーワード10 『時』
「時ほど残酷なものはないな……。あの日、アサギの瞳に映ったのがオレだったならば。
オレはあいつのようにアサギを泣かせたり、苦しめたりしない。
……と、解っていも。アサギはアイツを選ぶんだろう、謝らなくてもいいんだ、知っているから。
それでも、愛してる」