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宿敵と体が入れ替わったら、ずっと私に片想いしていたことがバレた  作者: zhaozhao


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2/17

第2話 ライバルが私の下着を着始めた

スマホをひっつかみ、勢いよくドアを開けた。


その瞬間、私は目を疑った。

目の前にいた蓮が、「私」の細く白い指でシルクのネグリジェの裾をつまみ上げ、胸元をじっとのぞき込んでいた。

しかも――。

私の顔をした蓮が、真剣そのものの表情で服の中を確認している。


一気に血の気が引いた。


「蓮! 何やってるの!?」


ほとんど悲鳴だった。


蓮はゆっくり顔を上げる。

ほんのり頬を赤く染めた「私の顔」で、あまりにも当然のように言った。


「新しい体に慣れてるだけ。」

「……は?」

「自分の体なんだから、ちゃんと知っておかないとだろ?」


そう言いながら、蓮は私を頭のてっぺんから足先まで、じっくり眺めた。

そして、平然と続ける。


「君も俺の体、よく見ておけば?」

「好きなだけ見ていいよ。俺は気にしない。」

「…………」


何、この男。

羞恥心ってものがないの!?

思わず言葉を失った。


けれど、すぐに自分がここへ来た目的を思い出す。

私はニヤリと笑い、スマホを高く掲げた。


「へぇ?」

「いつも口では『私のことなんか嫌い』って言ってるくせに、裏では私の写真を見ながら、あんなことしてたんだ?」


これでどうだ。

絶対に動揺する。


そう思ったのに――。

蓮はまったく恥じる様子がなかった。

むしろ余裕たっぷりにベッドのヘッドボードへ背を預ける。


「その写真、結構よく撮れてるよな。」

「こういう時に使うには、ちょうどいい。」

「……っ」


私の顔から、私の知らない声が聞こえてくる。

気だるくて、妙に色っぽい。

いわゆる、お姉さんっぽい声。

自分の顔でそんな声を出されると、ものすごく違和感がある。

というか、全身に鳥肌が立った。


そして、さらに最悪なことが起きた。

蓮は私の下着を手に取ると、私の目の前で何のためらいもなく身につけ始めた。


「これで合ってる?」


妙に素直な顔で聞いてくる。


「こういうの、初めてだからさ。」

「…………」


止めたい。

今すぐ止めたい。

なのに、蓮はまるで気にする様子もなく、私を見てぽつりと言った。


「……それにしても。」

「君の体って、思ってたよりスタイルいいんだな。」

「…………」


何を言ってるの、この男。


「ちょ、ちょっと! やめて!」


慌てて止めようとした。

けれど。

私の体――つまり蓮の体が、なぜか勝手に小さく震えた。


「……美咲。」


蓮が、私の声でくすりと笑う。


「鼻血、出てる。」

「え?」


私は反射的に鼻へ手をやった。

指先が、ぬるりと濡れる。

恐る恐る見ると――。

赤い。


「……うそ。」


本当に鼻血だった。


「だ、誰のせいだと思ってるのよ!」


私は顔を真っ赤にして叫んだ。


「朝っぱらから、そんなことしてるからでしょ! 体に悪いんだから!」


全部、蓮のせい。

そういうことにしておく。

私は八つ当たり気味に言い放つと、百八十七センチもある大男の体を引きずるようにして、自分の部屋へ逃げ帰った。


ドアを閉める。

背中を預ける。

そして、そのままズルズルと床にしゃがみ込んだ。


「…………最悪。」


恥ずかしい。

死ぬほど恥ずかしい。

……お願いだから、誰にも見られてませんように。

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