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エーテルコード  作者: エトコッコ
第7章:宿命

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第1話「パーティ」


怜と音を乗せたキャリアがオルフェに帰還した頃、烈と閃たちのキャリアもすでに戻っていた。


「わたしたちが最後だったみたいだね。みんな無事でよかった」


音は、並んで停まるキャリアを眺めながら、嬉しそうに言った。


「ええ、そうね」


怜も微笑みながら答える。


事前にキャリア内の通信で、他チームも無事に任務を完了したことは把握していた。



キャリアが着陸すると、バサラヲと各トルーパーがドッグへと運ばれていく。


閃たちとは、到着時間の差はあまりなかった。


キャリアのそばには、閃とみのりの姿があった。


「お疲れ様です! おふたり!」


キャリアから降りてきた怜と音に、みのりが元気いっぱいに声をかけた。


「お疲れ様、みのりちゃん!」


「お疲れ様、みのり」


それぞれが返す。


「お疲れー。みんな一足先に休んでるよ」


閃も、いつも通りのゆるい調子だった。


「わざわざ2人で待っててくれたの? ありがとう!」


音は笑顔で言う。


「閃もみのりも、疲れてるんじゃない?」


そう言った怜も、どこか嬉しそうだった。


「俺は一応リーダーだからさ。みんなの帰りを待っとくって言ったら、みのりんも付き添うって」


「そゆことです」


みのりは満面の笑みで答えた。


もっとも、その理由が“閃と少しでも一緒にいたい”という乙女心から来ていることを、怜と音が知る由はない。


「ま、詳しい話は後で」


閃はそう言い、4人は司令室へと向かった。



司令室——


「皆、本当によくやってくれた」


モニター越しに、エドワードが言った。


「訓練生諸君の活躍も、しっかりと報告を受けている」


訓練生は、少し照れたような表情になる。


「そして、クレアくん。現場での判断とサポート、見事だった」


「ありがとうございますっ!」


クレアは背筋を伸ばして、はっきりと答えた。


「私は……いや、オルフェは、君たちを心から誇りに思う」


エドワードからの、最大級の賛辞だった。


その場にいたトーマス、牧、カリンも拍手を送る。


トーマスは、心なしか目を潤ませていた。


通信が終わると、トーマスが口を開いた。


「みんな、さすがに今日は疲れてるかな?もし良ければ……パーティでもしようかと思うんだが」


「パパパ、パーティ!?」


最も疲労の色が濃かった光井が、真っ先に反応した。


「今夜でも、明日でもいいけどね」


トーマスが言う。


「いやっ……!!みんな、どう!?」


光井は周囲を見渡した。


「ミチ、アンタさっきまで一番ぶっ倒れそうだったじゃん」


アンジュがツッコミを入れ、室内は笑いに包まれる。


その様子を見た閃が、確認するように言った。


「……今晩でもいい人ー?」


それぞれが反応し、パーティはその日の夜に決まった。



パーティは食堂で行われた。


そこには普段の食堂では見かけないような料理や飲み物、色とりどりのお菓子がずらりと並んでいる。


「さぁ、堅苦しいのはなしだ。みんな、存分に飲み食いしてくれ!」


トーマスが声を上げた。


「GGピザ!!LLサイズ!!」


光井が目を輝かせる。


「寿司もあるぞ!しかも天然物だ!」


烈も驚いたように言った。


現代では、食材の約7割が人工物だ。


動物資源の減少と保護法の影響により、肉や魚も養殖の人工肉が主流になっている。


天然のものが使われるのは、お祝いなど特別な場だけだった。


「やばっ!今のうちに食べとこ!」


アンジュも“天然”の寿司を皿に盛る。


「アンジュ、サーモンばっかり!」


クレアは腹を抱えて笑っていた。



「GGピザが大量に……!これは夢か……!?」


光井は両手にピザを持ち、頬張っている。


「光井くん!よかったね!」


音が笑顔で声をかけた。


(両手にGGピザ……!さらに羽野に話しかけられた……!俺、ここでどれだけ運使ってんだ……!!)


光井は、今にも天に昇りそうな気分だった。



甘党の怜は、テーブルに並ぶ様々なケーキを次々と口に運んでいた。


「れーにゃん、主食の前におやつ?」


ニヤニヤしながら、何かしらのステーキを頬張りながら閃が近づいてくる。


「別腹だもん。それ、何のお肉?」


怜は尋ねた。


「“ムラサキウロコワニ”らしいよ」


「ワニ……?あの、ワニ?」


「そのワニ」


「……うーん。ちょっと、もらっていい?」


興味を示す怜。


「あーんして?」


閃は一口サイズに切り、フォークで怜の口元へ運ぶ。


怜は素直に口を開いた


——その瞬間


横から突然現れたみのりが、そのステーキをパクッと食べた。


一瞬きょとんとする閃と怜。


次の瞬間、2人は吹き出し、みのりも笑っていた。



「なあ、グンジン」


烈が東に声をかけた。


「あぁ、新井くん」


東は焼きそばを山盛りにしている。


烈は、先ほどの戦場での出来事を東に話した。


すると——


東は持っていた皿を、ぽろりと落とした。


「うぉっ!!」


地面に落ちる前に、烈が素早くキャッチする。


東は、カタカタと震えていた。


「お、おい……グンジン……?」


烈が覗き込む。


「……会ったのですか……?戦場で……?……榊さんと……?」


今まで見たことのない東の動揺ぶりに、烈は少し戸惑った。


「まぁ……一応、グンジンには、伝えとこうと思って——」


「握手したんですかっ!? どっちの手で!?」


食堂中に、東の声が響き渡った。


全員が一斉に振り返る。


(あー……東くん、ついに烈から聞いたのね)


唯一その理由を知るカリンは、静かに微笑んでいた。

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