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エーテルコード  作者: エトコッコ
第6章:律動

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第8話「ファースト・ミッション」


訓練生3名とクレアを乗せたキャリアは、複数のドローンを展開し、救助隊および救援物資の捜索を行っていた。


訓練生は、それぞれのトルーパーに搭乗し待機していた。


やがて、ドローンが反応を示した。


キャリアとトルーパーのモニターに映し出されたのは、撃墜された救助隊のヘリだった。


「ひでぇ……よりによって救助隊を……」


光井は思わず呟いた。


(やっぱり……残党にやられてたのね)


クレアの表情が、わずかに強ばる。


街の被害状況や、補給ラインの状態を考えれば、ある程度は予想できていた。


だが、実際に突きつけられると重みが違う。


「……トルーパー部隊は武装して」


クレアの指示により、トルーパーはキャリアに積まれていた武装をそれぞれ装備する。


「……やっぱり、戦闘になるのかな……」


みのりが不安げに言った。


「……ほぼ、間違いなくね」


クレアの声は冷静だった。


光井とアンジュも、表情を引き締める。



さらに探索を進めると、破壊されたヒキャク、そしてその周辺に散乱する救援物資が発見された。


——その瞬間


キャリアに向かって、弾丸が飛来した。


キャリアは即座に緊急回避モードへ移行し、攻撃をかわす。


姿を現したのは、救援物資を強奪していた残党だった。


身を潜めていたものの、発見されるのは時間の問題。


ならば先手を打つ——

そう判断したのだろう。


残党は3機——

・ブロックス

・ガンビット

・レギオンα


ある意味、見慣れた顔ぶれだった。


そして、レギオン。


本来は強化兵専用機だが、違法改造によって一般操縦が可能な仕様になっていた。


こうした“違法所有機”には、ある共通点がある。


それは、ブレインが意図的に取り外されていることだった。


ブレインには、違法使用を防ぐための「ロックモード」が搭載されている。


武装制限、性能制限、位置の自動マーキング——


だが、それらはブレインを外してしまえば、すべて無意味になる。


そして、その影響で全機有人。


もしくは、違法に開発・改造されたブレインの存在。


これら問題は、以前から深刻視されていた。



キャリアのハッチが開き、トルーパー3機が出撃。


アサルトライフルを放ちながら、地上へ降下する。


残党は散開し、応戦の構えを取った。


キャリアは高度を上げ、戦闘圏外へ退避する。


戦闘経験では残党が上だが、機体性能はトルーパーが勝る。


着地と同時に、敵の反撃が始まった。


ブロックスはガトリングガン、ガンビットはハンドガンを連射。


トルーパーはそれぞれ回避行動を取る。


だが——

光井機がかわした先に、レギオンが手榴弾を投擲し、爆発。


「うおっ!!」


衝撃に耐えきれず、光井機が転倒する。


アンジュ機が援護に入ろうとしたが、ブロックスの体当たりを受け、体勢を崩された。


その間、みのり機はブレードを引き抜き、ガンビットのブレードを受け止めていた。


『みのりん! 後ろ!』


クレアから通信が入る。


レギオンが背後に迫っていた。


「っ!?」


避けきれず、みのり機は羽交い締めにされる。


「なんだぁ?こいつら素人かぁ?」


ガンビットのハートが嘲る。


「オルフェと聞いて警戒したが……拍子抜けだな」


レギオンのハートが淡々と続けた。


「まぁ、弱いに越したことはねぇ!やっちまうぞ!」


ブロックスのハートが吠えた。


——その瞬間


攻撃型ドローンのレーザーが割って入る。


クレアがキャリアから操作していた。


決定打にはならないが、注意を逸らすには十分だった。


その隙に、トルーパーはそれぞれ距離を取ることに成功した。


しかし、技量差を見抜いた残党は力押しに出る。


押されるトルーパー。


「くそっ……!」


光井は焦っていた。


「このままじゃ……!」


みのりも同じだった。


クレアは戦況を見据え、即座に通信を入れる。


『いい!訓練を思い出して!パターンB!』


3機は即応し、パターンBのフォーメーションに移行する。


『みのりんは撹乱!光井とアンジュは射撃!』


動きが一変したトルーパーに、残党は明らかに動揺していた。


クレアはドローンで支援しながら、次の指示を飛ばす。


『光井!接近戦いける!?』


「おうよ!!」


光井機がすぐさまブレードを引き抜く。


『アンジュ、援護射撃!』


「了解!!」


アンジュ機が位置を変え、射撃。


レギオンが対応しようとした瞬間、みのり機がスタンワイヤーガンを放つ。


「さっきのお返し!!」


電流が流れ、動きが止まったレギオンの胴体を、光井機のブレードが貫いた。


「やった!」


だが、間髪入れずクレアの声。


『まだ油断しない!!そのままパターンE!』


3機は即座にフォーメーションを変更。


『アンジュは接近戦!みのりんは中距離!光井は遠距離!』


「了解!!」


波状攻撃。


ブロックスが崩れる。


「……こいつら……素人じゃ——」


撃墜。


残るはガンビットのみ。


だが、ガンビットのハートはコクピットから投降した。


勝ち目がないと悟ったのだ。



「……勝ったのか、俺たち……?」


光井は、まだ実感が湧いていなかった。


『まだ終わってないってば。光井は残党の拘束。みのりんとアンジュは救援物資の確認。問題なければ積み込み』


キャリアを降下させながら、クレアは指示を出す。


「えっ……俺が拘束……?」


光井が不安そうに言った、その直後。


攻撃型ドローンがショックレーザーを放ち、残党を気絶させた。


『……まだ怖い?』


クレアの声は冷静だった。


「い、いや!大丈夫っす!!」

(……アンタが一番怖ぇよ……)


光井は内心でそう思った。



その間、クレアは軍へ状況報告を行っていた。


そして、閃へ通信を入れる。


『よぉ。終わった?』


閃のいつもの声に、クレアは安堵した。


「ええ。なんとかね。今から戻るわ」


15分後——


キャリアは再び避難施設へ戻っていた。


そこには、閃と東の姿もあった。


残党は警察へ引き渡され、トルーパー4機が救援物資を降ろす。


職員と市民の協力で、物資は滞りなく配られていった。


魔獣の存在については、関係者全員が言葉を失った。


公にすれば、さらなる混乱を招く。


慎重な対応が必要だ。


もっとも、それはオルフェの管轄外。


市長と市民に見送られながら、キャリアはオルフェへ帰還していった。


(第6章 完)

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