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エーテルコード  作者: エトコッコ
第5章:交流

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第8話「交流会④」


交流会は、和やかな空気のまま続いていた。


アークが、怜に声をかける。


「なぁ、オメーのそれ…なんだ?」


怜が抱えていた、もちのすけのぬいぐるみを指さしている。


「……もちのすけ」


怜は少し俯き、照れたように答えた。


「……オメー、もしかしてそれ、好きなのか?」


アークが聞く。


怜は、こくりと頷いた。


次の瞬間——

アークが吹き出した。


怜の顔は、一気に真っ赤になる。


「もぉアーク、失礼だよ?」


イノがすぐにたしなめる。


「いや、だってよ!い、意外すぎて……!!」


アークは息を整えながら言った。


「可愛いね、もちのすけ。すごく柔らかそう」


イノは、にこやかに伶へ声をかける。


「……触ってみる?」


怜は、そっとぬいぐるみを差し出した。


「えっ!いいの?触りたい!」


イノは指先でもちのすけをつつく。


「わぁ…柔らかい…」


「あっ……!ボ、ボクも触っていい?」


サムも恐る恐る尋ねた。


「ええ、もちろん」


怜が答える。


「アフフ…。か、可愛いね…」


イノもサムも、すっかりもちのすけに夢中だ。


「アークも、触ってみなよ」


イノが笑顔で言う。


アークは少し迷ってから、そっと指でつついた。


「……か、可愛いじゃねーか……」


小さく、照れた声だった。


「クリスは、も、もちのすけ知ってる? アフフ」


サムが聞く。


「もちろんだ。日本の有名なカルチャーだからな」


クリスは淡々と答える。


「……推し、とかいる?」


怜が、少し勇気を出して尋ねた。


「……推しかどうかは分からんが、個人的には“もちお”が好きだ」


もちお——

もちのすけの仲間で、海苔眉が特徴的な角餅だ。


「……もちお、いいね」


怜は、ほっとしたように微笑んだ。



「キミは?」


今度は、イノが音に尋ねる。


「あっ!わたしは……これ」


音はポケットからスマカを取り出した。


「写真を撮るのが好きなの」


「よかったら、見てもいい?」


イノが笑顔で言う。


「……変な写真ばっかりだから、遠慮なく笑ってね……」


少し照れながら、音は写真を見せ始めた。


変わった形の雲。ヒビ割れたグラス。折れた木。静かな廃墟。


どれも、不思議と目を引く写真だった。


「アフフッ!あ、あっ……おかしくて笑ったんじゃないよ! げ、芸術的で、すごく素敵だよ!アフ!」


音の顔が、ぱっと明るくなった。


「ぅえ…!?本当?嬉しい!」


(可愛い…)


サムは、心の中で思った。


「うん!ボクもそう思うよ」


イノも頷く。


クリスも、静かに肯定した。


「ありがとう!」


音は、嬉しそうに笑う。


「サムくんの、そのマスクと帽子も、すっごくオシャレだよ!」


「あっ……!ありがとう!アフフフ!」


サムは照れながら笑った。



音の様子を見て、烈がハッとしてスマカを取り出す。


「本当はテツ連れてきたかったんだけどよぉー、寝ててさ。でも写真なら山ほどあるぜ!」


「テツ?」


アークが聞く。


「おう!俺の愛犬だ!」


烈は、テツの写真を次々に見せた。


「お!強そうだな!」


アークが笑う。


「うん!それにカッコいいね!」


イノも続ける。


「……聡明な顔つきだな」


クリスも反応した。


「な、なんとなく……アフフ!烈くんに似てる気がするよ……!」


サムが言う。


「だろ!?だろ!?」


烈は、心底嬉しそうだった。


こうして、ファクターズとゼクストの交流会は、しばらく和やかに続いた。



一方、監視モニターを見ていたリオが、笑顔で言う。


「完全に打ち解けてますね」


「ええ」


松永も、穏やかに頷いた。


しかし、その光景を見つめるエドワードの胸中は複雑だった。


(本来なら、この子たちが争う必要など無かったはずだ…。ヨハンめ…)



ゼクストは、DDの前に立っていた。


「今日は本当に楽しかったよ!ありがとう!」


イノは満面の笑みだ。


「アフフ! ま、また会いたいな!」


サムも続く。


「こちらこそ!サムの言う通り、また会いたいね!」


閃も、柔らかく笑った。


「ま、悪くなかったぜ」


アークも、無意識に笑顔になっている。


「今度はテツ、連れてくっからな!」


烈が言う。


怜とクリスは、静かに頷いた。


「みんな、気をつけてね!」


音が、笑顔で手を振る。


(可愛い…)


サムは、また心の中で思った。


ゼクストはDDに搭乗し、空へと帰っていく。


こうして、交流会は幕を閉じた。



上空を進むDDの中。


「ファクターズ、やっぱりいい人たちだったね!」


イノがにこやかに言った。


「アフフ!うん!ま、また交流会したいね!つ、次はボクらの大事な物も持ってきてさ!」


サムも元気よく答えた。


アークとクリスは無言だったが、同じ気持ちだった。


(第8章 完)

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