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エーテルコード  作者: エトコッコ
第1章:ファクターズ

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第1話「朝のひととき」

挿絵(By みてみん)


オルフェ研究機関の地下2階にある生活エリア。

朝の食堂は、いつも賑やかだ。


バイキング形式の料理が並ぶカウンター、清潔な白いテーブル、大きな窓……。


といっても、地下施設なので外の景色ではなく、モニターに映し出された青空と緑の映像だが、少しだけ開放的な雰囲気を作っている。



「やほー」


閃が食堂に入ると、すでに何人かの顔があった。

同じ制服に身を包んだ職員達。


そして——。


「……おそい」


冷たい声が飛んできた。


振り返ると、冷ややかな目をした少女が、こちらを見ていた。


濃黒のストレートロング、ハーフアップで纏められた髪。

無表情だが、どこか凛とした美しさを持つ顔立ち。


白木しらき れい

“氷のファクター”でありファクターズのメンバー。


「逆に考えよう。れーにゃん達が早すぎるんだ」


「……その呼び方、やめろ」


怜はジト目で閃を睨んだが、閃は全く気にせず、にっこり笑っていた。



「おう、寝坊か?」


奥のテーブルから、低い声が聞こえた。


がっしりした体格の少年。

強面だが、目元には優しさが宿っている。


新井あらい れつ

“炎のファクター”でありファクターズのメンバー。


「寝坊? する訳ないだろ」


「じゃあなんで5分遅刻してんだよ」


「気持ち的には5分前に来たから」


「気持ちだけじゃねーか」


烈は呆れたように笑い、トレイに視線を戻した。



「あっ閃くんおはよ〜」


優しい声の小柄な少女。

栗色のふんわりした寝癖付きミディアムボブに、丸い黒縁メガネ。


羽野はの おん

“風のファクタ”でありファクターズのメンバー。


「おっすー」


「今日もアホ毛だねっ(?)」


音はにこにこと笑いながら、料理を取っていた。



閃もカウンターで料理を取る。

ご飯、肉、焼き魚、また肉、目玉焼き、ついでに肉。


「……偏食」


怜が隣で呆れたように言う。


「ご機嫌な朝食でしょ?」


「野菜無い」


「あっ」


閃は慌てておまけの肉を追加した。


怜はため息をつき、自分のトレイを持ってテーブルへ向かう。



4人がテーブルに揃うと、少し離れた席から訓練生がちらちら見ていた。


「……相変わらず見られてんな」


烈が小声で言う。


「肉うめぇ」


閃は気にせず朝食を頬張っていた。


「閃先輩っ!」


1人の少女が駆け寄ってくる。


短い茶髪、小柄な体、元気いっぱいの笑顔。


「やほー、みのりん」


「今日の訓練なんですけど——」


「俺も一緒だよ。よろしくぅ」


「はいっ! よろしくお願いしますっ!」


みのりは嬉しそうに戻っていった。



「…相変わらず、懐かれてんな」


烈が苦笑する。


「まあ、閃くん可愛いから」


音がくすくす笑った。


「かっこいいじゃなくて?」


閃がむくれた顔をする。



朝の食堂は、いつもこんな感じだ。

平和で、温かくて、少しだけ賑やか。


——そして、この日常を守るために、彼らは戦う。

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