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服部家一家 異世界に召喚される  作者: SUGISHITA Shinya


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059 街までの道中 盗賊の頭は災難に遭う

 野宿広場に朝日が当たる。

 みんな起き出した。


 人が回りにいない馬車が2台。


 昨夜声をかけられた人達は盗賊の馬車だろうと思ったが、盗賊がどこに行ったのかわからない。争った様子もない。昨夜声をかけてきた人はいるが、もしかしたら盗賊より恐ろしい人達かも知れないと朝食もそこそこに広場を出て行ってしまった。


 春人達はみんな出て行ってしまったから堂々とテーブルと椅子を出して朝食だ。


 今朝はサンドイッチ。使用人も含めて一緒に食べる。冒険者も末席に申し訳なさそうに座っている。


 女王主従はびっくりしている。下の者たちと一緒に食卓を囲んだ事はない。


「姉上、今日は途中二回休憩を挟んで昼食、午後も二回休憩を挟んで宿場です。宿場で一泊後昼間に披露会、さらに一泊します」


「わかったわ。頑張りましょう。冒険者さんも案内をよろしくね」


 冒険者はあからさまに案内する人が誰だとは言われていないが、雲の上の人たちだから十分気をつけるようにと言われていた。

「はは」と答えてサンドイッチが咽を通らなくなった。


「では行こう」


 イタサンがサンドイッチを冒険者に包んでやる。

「後で食べろ」


 盗賊の馬車は一台は秋人が、もう一台はテアが御者席に座り女王の馬車を挟んで出発。大行列になった。


 先頭はもちろん冒険者と本部長。冒険者は出発前に急いでサンドイッチを食べた。やっと人心地がついた。


 無事に二回の休憩を挟んで昼食休憩であるが、広場には馬車三台を止める余裕はなかった。あきらめてしばらく行って道端の草原に止めた。一角ウサギはいたが元々弱い魔物なので馬車三台、馬多数に驚いて逃げてしまった。


「誰もいないから良しとするか」

 堂々と食卓と椅子を出せる。


 マロンは走って、ドラは飛んで草原の奥に行った。一角ウサギを狩って自分たちで食事をするらしい。


 春人達は今日はてんぷら定食である。


 てんぷらは、えび、いか、魚、なす、しし唐、さつまいも、しいたけ、レンコン、三つ葉、魚など。

 天つゆに下ろし大根、おろししょうがを添える。

 もちろんご飯、味噌汁。


 てんぷらは作り置きだが時間停止の収納だから揚げたてのさくさくだ。


 女王、

「私たちにも箸というものを練習させてください」

 すぐイタサンが箸を配る。


「エカちゃん、おばさん。箸はこう持つんだよ」

 冬が女王と侍女長に持ち方の指導をしている。


 本部長と冒険者も箸を渡された。本部長と冒険者の前からはナイフとフォークが撤去された。


 箸の持ち方を習得しないと手づかみだ。てんぷらはまあ良いとして、ご飯と味噌汁は難問だ。


 冬は女王と侍女長にかかりっきりだからこっちは秋人が教えている。


 しばらく練習するとぎこちないながらも何とか箸でてんぷらが挟めるようになった。


「ではいただこう」

「いただきます」


「うん、美味しい」

 サクサクに揚がった天ぷらを頬張っての冬の感想だ。


「冬、行儀悪い」

 秋人に言われてしまった。


 マロンとドラが急いで帰ってきた。天ぷらの匂いを嗅ぎつけたらしい。

 すぐ冬がクリーンをかけてやる。


 イタサンが3頭にも昼食を用意する。

 天ぷらを食べて満足そうだ。狩の得物も美味しいが人の食べ物もまた格別らしい。


 昼時だから街道を通る馬車もいない。のんびり昼休みだ。


 強盗の馬車から声が聞こえる。

「トイレ、トイレ」

 頭を忘れていた。


 冒険者が腰縄で草原に連れて行った。

 尻を丸出しにして用を足している。


「人権などという言葉はないが情けない格好だな」


 ちらっと見た夏。


「あなた、あんな者に人権はない」

「それはそうだが」


 冒険者が川の水を飲ませている。

「腹を壊すなよ」


 川の水をそのまま飲まされた盗賊、それは無理と思った。


「腹が減った」

「だいぶ太っているから水さえ飲めば問題ない」


 こいつらに仲間が殺されたかもしれないと思うと冒険者は情け容赦もあらばこそだ。


 昼食の片付けも終わって出発だ。

 二時間何事もなく走り休憩。


「ト、トイレ」

 草原に腰縄で走り込む盗賊。またまた尻を丸出しである。今度は水のように排出される。

 下痢である。なかなか止まらない。


「おい、休憩が終わる。水はそこだ」

 小さい溝に水が溜まっている。ほとんど流れていない。

 盗賊は水を飲まなかった。


 さらに二時間進んで休憩である。

 また同じように盗賊が草原に走る。


 冒険者は近くの岩に盗賊の腰繩の端を縛りつけておいて休憩である。盗賊は逃げようにも出っ放しでズボンが上げられない。逃亡は諦めた。


「み、水」

「さっき飲まなかったろう。飲みたければそこだ」


 今度は窪地に泥水が溜まっている。さっきより酷い。

 盗賊はため息をついて口をつけて飲んだ。


 二時間進むと街が見えてきた。別働隊が門で待っていた。明日の設営もあるので今日は別働隊も泊りである。


 げっそりしてきた盗賊の頭を本部長が衛兵隊に引き渡す。もちろん頭はすぐトイレを所望である。


 本部長が盗賊から回収したものを小袋に分けて冒険者に渡した。


「ご苦労だった」

「ありがとうございます」


 ああ解放されたと冒険者。気苦労はあったが小袋をもらって結構な実入ではある。足取り軽く依頼完了の届をしに冒険者組合に入って行く。


 春人は盗賊の馬車と馬を別働隊に預けて売却を頼んだ。もちろん馬車の車内はクリーンした。


 別働隊の隊長が一行を宿に案内して行く。

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