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服部家一家 異世界に召喚される  作者: SUGISHITA Shinya


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024 国王派若手貴族は会合する

 国王派の若手貴族秘密会合。


「おい、国王陛下、宰相、魔法庁長官、同補佐はどうしたのだ。魔法の暴発と回ってきた書類には書いてあったが」


「魔法庁の秘密の魔法実験場に4人の遺体が散乱していたのを見たと言う話だったぞ」


「それにしてもおかしいだろう。魔法の実験はもっと研究員とかがいるんじゃないか」


「そうだよなあ。実験なら記録もしなくてはならない。いくら秘密の実験でも記録係は必要だ。記録しなければ実験にはならない」


「完成した魔法の披露だったのか」

「それなら失敗する筈がない」


「一遍に俺達派閥の長と腹心が亡くなったのもおかしい」


「噂だが」

 いちだんと声を潜める貴族。


「表向き魔法の暴発となっているが」


「いるがどうした」


「どうも召喚魔法陣を起動しようとして失敗したらしい」


「召喚魔法陣は五百年から経っているからな。壊れてしまっていて起動したら不具合が生じたのだろう」


「なんで召喚魔法陣を起動しようとしたのか」


「それがだな、勇者を呼び出して俺達の派閥のために働かせようとしたらしい」


「それだから起動の時には俺達の派閥の人間しかいなかったのか」


「そうだろう」


「結界魔石がもうあまり持たないと言う噂を聞いた。なんでも王都から遠くの国境近くの村や街などは結界にほころびが生じていると言う話だ」


「それならば結界魔石を手に入れようと勇者召喚をしようとしたのか」


「いや、その場合国をあげての事になる。派閥に関係なく行うだろう。魔法庁も研究員が多数出てくるだろう。起動の前にしっかりと魔法陣が壊れていないか検証をしたろう。失礼ながら現場を知らない派閥人事の魔法庁長官とその腰巾着だけということはない」


「うーーん。国王陛下とその側近だけでは結界魔石を得るための勇者召喚との線は薄いな」


「やっぱり俺達派閥の利益のために動いてくれたんだろう」


「四人は残念だったな」


「話は変わるが俺のおやじの話だが」


「どうした」


「実は王妃様による粛正ではないかと震えていた」


「まさか。どうしてだ」


「おやじ達は国のお金を使い込んでいたらしい。おれも薄々は気がついていたが、金回りがいいのは悪い事ではないので目をつぶっていた。それがばれたのではないかと震えている」


「俺も聞いたぞ。使い込みランキングの一番から四番までが亡くなった。一番は国王陛下だ。五番目はやつか、それともあいつか、まさかの俺かと眠れないらしい」


「おやじがなんだかこのごろやつれていたがそれか」


「でもみんなそれなりに警備は厳重だろう。一遍に4人は不可能ではないか」


「そうだよなあ。国の重鎮だ。住んでいるところも安全だし、警備も万全な筈だ。時間をかけて一人づつ隙を狙ってならわからなくもないが、一遍に重鎮4人は無理だろう」


「それに粛正と言ったってどうやったのだ」


「近衛兵を動かすとか」


「確かに近衛長官は王妃の派閥だが、表立って行動するのが近衛兵だ。きらきらした鎧を身に纏い剣で正面から正々堂々戦う、そういう訓練しか受けていない。こっそり一遍に4人闇討ちするのは無理だ」


「軍を動かすとか」


「軍を動かしたら目立ってしまう。軍は力押ししか出来ない。屋敷を囲んで攻め込むだろう。それでは内乱だ。そんな動きがあれば大混乱だ」


「その動きはなかったな」


「今の軍務長官は長官の地位を金で買った男だ。多額の金をこっそり国王陛下に差し出した。その後長官になった」


「お前良く知っているな」


「俺のおやじが」


「お前も「俺のおやじ」か。どうも良くないな。それでどうした」


「話の腰が折られたが、俺のおやじが」


「わかったからその次を話せ」


「今話すところだ。俺のおやじが軍務副長官を国王に仲介した」


「賄賂の仲介か?」


「いや、献金の仲介だ」


「へえ、個人への献金だな」


「そうだ。何一つやましい事はないはずだが・・・・。献金後すぐ軍務長官になった。それが今回の話題の人だ」


「そこはまあいい。俺達は「清濁併せ呑む」だからな」


「濁ばかりではないか。はははは」


「そういうのは自虐という。あははは」


「軍務長官はこの頃見ないぞ」


「それは献金先の国王陛下が亡くなってしまったから王宮に来る筈がない」


「軍務長官がしょっちゅう王宮に出入りしてたらそれは軍事行動が近いということだろう。今のところ周りの国からの侵略の予兆はない。来ないのが正解ではないか。まして国王陛下以下が亡くなった状態のところへ出入りしてたらクーデターを起こすのか、それとも誰かのクーデターの片棒を担ぎに来たのかと思われてしまう」


「それは正論だ」


「正論だが、どうも軍務長官は亡くなったらしいぞ」


「何でだ」


「わからない」


「何処からの情報か?」


「俺の家に出入りの商人が軍務長官の屋敷に行ったら静まり返っていてお通夜状態だったので退却したと話していた」


「ご家族の不幸の可能性もあるだろう」


「それが家人が茫然自失していたのでとてもご家族ではないだろうと言っていた」


「それはまたきな臭い話だな」


「裏金献金が王妃にばれ粛正されたか。五番目か」


「簡単に王妃が粛正と言っているけど誰が実行するのか。まさか王妃が剣をとって天誅とやるわけではないだろう」


「そうだけど、王妃は剣の達人と言う噂があるぞ」


「達人であっても4人一遍は無理だろう」


「ううーーん。わからないな」


「取り敢えず、屋敷に帰って、帳簿をちょろまかして引き出したお金は、また帳簿をちょろまかして戻しておけと言っておこう」


「無理じゃないか。使い込んでしまったろう。それに粛正が疑われるこの時点でまた帳簿をちょろまかすのはリスクが大きい」


「打つ手なしか」


「残るは即位の恩赦だな」


「その可能性にかけるしかないか」


「俺はおやじに引退してもらおうと思う。病気がひどくなったからな」


「怪しい病気だが一つの手だな」


「遅くなった。また情報交換をしよう」


「そうだな。今日は結論も出ず、謎が深まっただけだが散会だ」

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