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結婚するとは言っていません【書籍化・コミカライズ化決定】  作者: 白雲八鈴


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102/103

第102話 その者が現れたら私が殺します

 胸ぐらを掴んで、思い切り投げ飛ばし、部屋の扉が破壊されました。それに追随するように飛び蹴りを食らわします。


 侵入者は隣の部屋の壁にぶつかり、床に倒れ込みました。


「誰が子供ですか!」


 私は床に伸びて動かなくなった者の胸ぐらを掴んで、往復ビンタをかまします。

 これぐらいで気絶とかありえませんわ。


 で、この人は誰ですか?


「シエラメリーナ。何があったのかは知らないが、骨がくだけているからそのあたりにしておきなさい」


 私の肩に何かがかけられ、伯父様の声が背後から聞こえてきました。

 私は首だけそちらに向け答えます。


「レディの寝室に侵入してきた暗殺者に、手心を加えろとおっしゃるのですか? 伯父様」


 顔の形が変わっていますが、この者が私を殺そうとしていたことは事実です。


 私の言葉に室内にざわめきが大きく広がっていきました。


 はい、伯父様がここにいることでわかるように、今回のパーティーに出席していた騎士団所属の者たちが集まっているのです。


 私が情報を書き出している途中から、隣の部屋が騒がしくなり、なにやら話し合いが始まったのです。


 ところどころクソジジイの声が聞こえてきて、とてもイライラしていたところに、あの侵入者です。

 それは、侵入者の顔の形が多少変わっても仕方がありません。


 ラドベルト、なんです? その片手で顔を覆ってやってしまったなという感じは?


 往復ビンタの手を止めずにいますと、その手が掴まれ、身体が浮き上がりました。

 視線を戻すと、赤い隻眼がものすごく近くにあるではないですか。


 はい、レクスに捕獲されたようです。いやいやいや、私ではなく侵入者の方を捕まえてください。


「エリアーナ」

「申し訳ございません」

「エスト。その者の処分は任せる」

「かしこまりました」


 そして、レクスは壊れた扉の方に向かっていき、後ろからついてくるエリアーナさんは、私が壊した扉を持ち上げて、元の位置に戻して修復の魔法で直しています。


 使用人となるとこういう補助魔法が使えないと駄目なのですね。

 私が感心をしていますと、レクスの舌打ちが聞こえてきました。


 なにですか? 枕の中の羽毛をぶちまけたのは私ではありませんわよ。


「隊長。申し訳ございませんでした」


 先程までいた椅子に私を座らせたレクスが、床に膝をついて謝罪をしてきます。

 何を謝ることがあるのでしょう?


「このようなことなら、使用人を全員連れてくれば良かったです」

「なに、無駄な人員を増やそうとしているのです」

「しかし、隊長の護衛が手薄になっていました。これは、私の失態です。もし、隊長に何かあれば、私は生きていけません」


 何が生きていけないのですか?

 それにあんな素人にやられると思われているほうが腹立たしいです。


「レクス。これぐらいで、私が遅れを取ると思っているのですか?」

「そういうわけでは……ですが、隊長にエリアーナをつけておくべきでした」

「はぁ、エリアーナさんは、今集まっている騎士たちの給仕のために必要ですよね? ふん! 私の首を取れるなど、アディフィール将軍ぐらいだ」


 手刀で私の首を切る仕草をします。

 私と相反する力を持つ、炎の魔法の最強の使い手と言っていいアディフィール将軍であれば、私を殺すことができるだろうと。


 笑みを浮かべていい切りました。


 すると、首に当てている手を取られ、レクスの額に当てられてしまいました。


「その者が現れたら私が殺します」


 レクスが殺気立っています!


「取り敢えず、団長が戻らないと話が進まないので、戻ってはいかがですか?」


 ここで殺気立たれても困ります。

 それにいつまでも隣の部屋にクソジジイがいると思うとイライラが溜まっていきます。


「エリアーナ」

「はい、承知いたしました」


 レクスは何も命令を出していないのに、エリアーナさんは了承しました。

 えっと、室内にエリアーナさんがいるということでしょうか?


 そしてレクスは部屋を出ていきました。


「マルトレディル様。お着替えを」

「え?」

「別のドレスを用意いたしました」


 ああ、着飾るドレスではなくて普段着用のドレスを用意してくれたということですか。

 私が、クレームを入れたので……すみません。




 で? なぜ? このようなことになっているのでしょうか?


 私はタバコを片手に白煙を吐いています。

 部屋の中は白い煙に満たされていました。

 ええ、タバコを吸っているのが、私だけではないからです。


 私は騎士たちがいるテーブルの席についていると言っていいのですが、何故か席がないと言われ、レクスの膝の上に座らされているのです。


 今は騎士ではないので、関係ないですよね。それに視線が痛いです。


「ふぅ〜。お話を続けてくれません?」

「シエラメリーナの嬢ちゃん。その前に殺気を抑えたほうが……どこの戦場に行くのかと思って……」

「ああ?」


 ラドベルト。レクスの隣にいるからと言って、こそこそ私に話しかけないでくれます?

 クソジジイがいる室内に留まって、殴っていないだけマシと思ってください。




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あれ…死闘の予感が再発(╹▽╹)?
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