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383・ジョストンの連人

前回のあらすじ


身動きとれないアネット達は良心の呵責からアーキア人救済を集落で始める。一方ユシュタファはモンスター誘導に参加するがトラブルに見舞われ大量のモンスターに追われる事になった。

 誘引剤でバカになってるモンスターならやり易いが如何せん数が多いのがネックだな。被害は人だけじゃなく生態系にも影響を及ぼす。


 これには冒険者のみならず狩人もお冠だろう。アーキア人も厄介なもの作りやがる。



「カルメン 周囲にまだいるかい?」


「ううんー 全部倒したよお母さん」


「はぁはぁ・・・やったか」


「あらかた片付いたな さて話して貰おうか ハルメリーに帰りもしないでお前等ここで何やってんだ」


「モンスターと追いかけっこだ 檻に入れて闘技場の見世物にするんだと こっちにも色々あるんだよ」


「誘引剤まで使ってそれが言い訳になるとでも思ってんのか これが何なのか分かっててやってるんだろうな」


「アーキア人にそれ聞くかよ だが今じゃここの公爵家の新薬って建付けだぜ?」


「そう言う事言ってるんじゃねぇんだぜ ・・・はぁ~ 取り敢えず詳しく話せ それが分からなきゃ俺達だって動きようがねぇ」


「チッ 分かったよ」



 ユシュタファ・・・コイツの話を要約すると誘引剤撒いてた首謀者は捕まえたが、同時に逃がしたアーキア人を貴族に人質にとられたと。んで見捨てる事ができないから仕方なくって訳か・・・



「なる程な 街に入る時に書かされるあれは伝書鳩の宛名って訳か そりゃ追跡されるわな」


「脱出した連中は全員名前を書いてるらしいから (タマ)とられてんのと同じなんだよ」


「んで お前等は逆に閉じ込められちまったって訳か」


「ねー アネット達は一緒じゃないの?」


「あ? あいつ等は街中の集落だ 何でもギャンブルにハマってるバカ共を説得して止めさせるんだと」


「は? ・・・待て待て どうしてそんな事になる いったい何やってんだあいつ等は」


「ルディアって貴族の娘が暴走したせいだ アーキア人の扱いが酷いってんでな まぁちょっとした反抗ってやつだよ んで俺がここにいる理由でもある」


「て言うか あんた等は何でそのルディアって子とつるんでるんだい」


「俺の目的は誘引剤とアーキア人の繋がりを切る事だ アイツの目的はハルメリーのアーキア人とここのアーキア人を手中に収めて箔つける事 利害の一致ってやつだよ」


「勘弁してくれ・・・」


「ったく冗談じゃないよ 小娘って言ったって貴族の家の子だ 言葉1つで周りは動く またバウゼンの時みたいに引っ掻き回されちゃたまらないよ!」


「あー あったねー 冒険者がいっぱい森に入って獲物が逃げちゃったやつ」


「アーキア人の問題を後回しにしてきたツケだよな 町長のヤツをぶん殴りたいところだが 集落の裏に貴族が居ちゃ如何ともし難いし 見ぬふりしてきた俺等にも責はあるか」


「私 前から思ってたんだけどさー 集落が問題ならアーキア人だけの町を造っちゃえばいいじゃない」


「まぁな だがそうなったらそうなったでまた問題が浮上してくるさ 上げりゃキリがねぇ それにこいつは領主様の領分だ さて問題は・・・お前等の今後だ」


「俺等は名前書いてねぇから逃げる分なら問題ねぇよ 動けないのはアネットがへっぽこなのと街でやらかしたのがルディアにバレた事だ」


「街中真っ暗にして門まで突破して貴族の面子潰した訳だもんな そりゃ目に持たれても仕形がねぇか だからって仕形がないで終らすつもりもねぇが となるとやっぱアネット説得して離脱しかないか?」


「やるなら早いとこやった方がいいぜ 名簿に名前がないからルディアに切られた時点で俺等は不法侵入の犯罪者にされちまう 正直今は首の皮一枚ってとこだな」


「なら派手には動けんな・・・」


「じゃ~次はアネット達の救出作戦って事でいいの?」


「だな そうなるが・・・ 前に使った手はもう使えないだろ となると正攻法で出るか強行突破かだが あの門は・・・ちと厳しいか」


「じゃーどうして君は外に出てこられたの? アネット達も一緒に出てくればいいじゃん」


「この仕事はアーキア人の担当なんだそうだ モンスター搬入の為に設けられた入り口はあるけど モンスターを扱う分見張りも多い あそこからの突破は現実的じゃねぇな」


「あ~くそっ やっぱ内部を色々見ないとダメかぁ? ところでアネット達は大丈夫なんだろうな」


「ああ 飯が不味い以外はおおむね平気だ 今はアーキア人を外に出すよう画策してる」


「おいおい 目立っちゃダメだろ・・・」


「それだけルディアがクズだったってこった この現状を見りゃ分かんだろ 俺もこっちで説得できるか働きかけるつもりだったんだよ」


「なる程 大体の事は分かった まぁ何にせよアネット達と会ってからだな」


「やったー アネットに会えるー!」


「狩人は外で待機だ 癪だろうが目立つ訳にはいかねぇのよ」


「えーーー!!」


「ユシュタファ お前は普段通りにしておけ 俺と()()()はアネット達と合流して今後の事について話をする」


「コイツ? ってコイツ・・・スロースか? ダークプリズンの・・・ 確か捕まった筈だよな 何で・・おいまさか ギルドは犯罪者を飼うつもりか?」


「言ってくれるじゃねぇか お前等アーキア人には特に世話になったぜ? 同じ穴の(むじな)だってのに一方的に犯罪者扱いは酷ぇだろ」


「あ? 集落の連中と一緒にすんなや 大体テメェ等ごときが────」

「こんな所で乳繰り合うのはやめろ コイツのスキルは何かと重宝しそうってんでジジイがテスト期間を設けたんだ もちろん奴隷って身分ではあるがな」


「はっ 組織を束ねたリーダーが今じゃ飼い犬かよ よく我慢してられるな 俺なら恥ずかしくて死んじまうね」


「お前は群れから離れて一匹狼気取ってるようだがよ 結局は社会に馴染めねぇ不適合者ってだけじゃねぇか そんなのが外に出たって上手くやれる訳ねぇだろうがよ いい加減気付けよなぁ~」


「んだとっ!?」

「んだコラ!?」

「お前等いい加減にしろっ!!」



 大事な局面で大荷物背負わされてる気分だぜ。とっととホッポリたいが使えるか見ないといけねぇし・・・めんどくせぇな。



「・・・いいのかよ そいつアネットの家族に手出したんだろ?」


「それも含めてのテストだ 俺だって気が乗らねぇよ」



 まぁ能力があっても周りと馴染めるかは別問題だけどな。しかし1組織のリーダーだった訳だから人を惹き付ける何かはあったんだろう。


 人間生きてりゃ色々あるが類は友を呼ぶ理論でアネットとは相容れないだろうな。どうすっかねぇ・・・


 ジジイの奴、面倒な事押し付けやがって。



 ★



「え・・・この人 確かダクプリの・・・」


「はあ!? ちょっと冗談でしょ!? 何で私の家族を狙った奴がギルドで働く事になるのよっ! 絶対に反対だわ!!」



 ミストリアと連絡をとっていたジョストンさんがダークプリズンのリーダーであるスロースなる人物を何故かお供に連れてきた。


 話を聞くとギルドで使えるかのテストって事らしいけど、犯罪者でも能力次第で雇用が許されるって部分はちょっと複雑な思いだ。もっともそれを代弁するようにマルティナががなってくれたのは救いだけど。



「まぁそう言うな ギルドは悪じゃないが正義を追求する場でもない コイツのスキルと繋がりには一定の価値があるとジジイは踏んだんだろう」


「どうかしてるわっ! 冒険者ギルドってもっと崇高な理念とかで動いてると思ってたのに!」


「ハハ ガキだなぁ 組織なんて利益をあげる為の徒党でしかねぇだろ 理念とか理想とか正義だとか悪だとか んなもんは稼ぐ為の色でしかねぇんよ」


「なっ! コイツ最低だわ!!」

「マルティナ落ち着いてっ ジョストンさん さっきも話した通り僕達は八方塞がりな状況です 一応ルディアの所にも行ってみたんですけど 忙しいの一点張りで結局会う事はできませんでした まぁそれは想定してはいたんですが ここで新しく問題を追加されても・・・」


「一応奴隷の身分だし行動にも制限がついてる 好き勝手はできねぇよ」


「つっても 手は出せねぇが口は出せるけどな」


「いちいちムカつくわね!」


「アネット 薄々分かってると思うが貴族に期待してもしょうがねぇぞ 連中の頭ん中は自分の事でいっぱいだ お前が逃げたアーキア人を気に掛ける気持ちも分かるがどうにもならない事もある 今回は諦めろ」


「・・・彼等は僕達が巻き込んだのと同じなんです 別のやり方してればこんな事には・・・」


〔他にやりようなんてなかったわ 私達はその時できる事を精一杯やったの 結果として思った通りにはならなかったかもだけど ここのアーキア人の扱いは兎も角として奴隷からは解放されたわ〕


「そうね・・・そうよ 私達はやるだけやったわ それに変わりたいって思ってる人もいるんだし 後はあの人達次第よ」


「・・・・・」



 人の命を諦める理由を仕事の失敗と同列に見るのは違うと思う。過去に戻ってやり直す事はできないけれど、ルディアが動かなければチャンスは残ってる・・・


 でも彼女のやり方はとても人を人とも思わない所業で、奴隷から解放されたアーキア人も奴隷と遜色無い立ち位置に立たされてる事にはかわりはない。


 いったいどうすれば円満な解決になるんだろう・・・



「下らね アーキア人なんざほっといてとっとと逃げちまえばいいのに 何グダグダ考えてんだかな」


「アネットはアンタと違って繊細なの!」


「弱さを繊細なんて言葉に置き換えてんじゃねぇよ 逃げたアーキア人とか言ってっけど 乗るも反るも決めたのは本人じゃねぇか んなもん自己責任だっての」


「そう言うアンタも捕まってるじゃない それは人のせいじゃないでしょ それこそ自己責任よ!」


「ああ 俺のミスは冒険者を舐めてた事だ だがな 自分のできる事と正義だか法だかを秤に掛けて選んだ道に 後悔も反省も1ミリもねぇよ」


「でしょうね! だからそんな顔になってるんだわ!」


「へへ 人生経験は人相に出るってな 薄っぺらい顔より味わい深いだろ? ところでジョストンの旦那 俺はここで何かしなきゃなんねぇんだよな 成果あげてマシな待遇に収まりてぇからよ 何でも言ってくれ」





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