封印
エリックは、銀の長剣で、背後から弟の心臓を貫いた。
同時に封印魔法をかける。
「終わった?」
ベルゼブブが聞く。
「ああ。」
短くエリックが答える。
「で、どうする?この後。」
「うちの棺桶に入れて、何処かに置くかな。」
魔法で貫いた体を浮かせ、転移陣を形成する。
「お前も来い」
言われてベルゼブブも入ると、陣が起動し転移する。
ゴブ美が、
「お帰りなさいませ。」
と、頭を下げる。
頷いて、エリックは、棺桶のある自室に向かう。
続くベルゼブブとゴブ美。
棺桶に弟の体を入れ閉めてから、とある札を取り出し、貼り付ける。
次に棺桶を浮かせ、地下室に運ぶ。部屋の中央に置き、結界を張り、部屋を出て扉を閉め、扉にまた札を貼る。
「何年くらいの封印なの?」
ベルゼブブが聞く。
「有りったけの魔力を込めたから、多分1万年くらいだな。」
ベルゼブブの表情が固まる。
「で、この後だが、人族はスライムに任せてあるので、多分大丈夫だろうから、魔族の方は、ベルゼブブに任せる。殺すも使役するも、お前の自由だ。人族との争いは無いから、好きに生きろ。」
そうエリックが言う。
「エリックはどうするのさ?」
「俺はこの世界から消える。そういう約束だしな。」
「約束?」
「ああ、誰とは言えないがな。」
エリックはクソ女神を思い出して言う。
ベルゼブブの表情は暗い。
「ゴブ美、こっちに来い。」
ゴブ美を呼び、首に噛み付く。
ゴブ美は、恍惚の表情を浮かべたが、身体が萎んでいく。
鬼人だった身体が、少し小さくなり、容姿は変わらぬが、魔力が凝縮されたような雰囲気だ。
「ゴブ美は、ゴブリンクイーンにしておく。うまくゴブリンを使役し、この屋敷を守ってくれ。ベルゼブブ、ゴブ美に定期的に食料などを運んでくれないか?」
エリックが言う。
「良いよ。」
ベルゼブブが言い、
「承りました。」
ゴブ美が頭を下げる。




