退却
勇者は、スケルトンを倒しながら、考えていた。このままグールやスケルトンを倒し切った時、騎士団は何人残っているだろうかと。残った戦力で、シャラザード公爵を戦えるのだろうかと。
第二幕と聞こえた。もし次がシャラザード公爵なら、何とか戦闘になるかもしれない。だが、第三幕が控えていて、その後シャラザード公爵との戦いの場合、かなりの確率で、騎士団は残っていないだろう。森の大賢者は、いまだに到着していない。1対1で、あの伝説の吸血鬼に勝てるのだろうかと。500年前は、大賢者とかなりの数の騎士団とで、ようやく封印したと聞く。つまり倒せていない。勇者は囮役で、大賢者に封印してもらわなければ、抑え込めないのではないのだろうかと。
ならば、少しでも、騎士団を多く帰還させるのが、正しいのでは無いか、無駄に命を落としては、やられ損ではないかと。
勇者は決断する。
「皆の者!この場は一旦、退却するぞ!グールやスケルトンは、脚は遅い!私が殿を務める。退却だ!!」
そう叫ぶと、騎士団は、対峙している敵を放棄し、退却する。勇者は、騎士団と対峙しているモンスターのみを斬りつけ、騎士団の退却を助けていく。
怪我をして動けない騎士達は、他の騎士に肩を貸して貰いながら、逃げる。
貸して貰えた騎士は、幸運であった。生きてはいても、動く事の出来ない騎士は、迫り来るグールに、なすすべなく食いつかれ絶命するのであった。




