少女たちは楽園を目指す
北海道に帰ってきたのは次の日の昼だった。
夏の暑さも終わりをつげ、北海道では次第に気温が下がっていく。もうそろそろ11月。冬の用意もしなくてはならないが、一番大事なのはゲームなのである。
私は帰ってきて荷物を放り投げ、そのままベッドに寝転がりゲーム世界にログイン!
私たちのギルドの拠点で目が覚めたのだった。
「さて、アルカードのもとに……」
イベントでこっちに来たまんまだったからな。
私は転移装置でノアの箱舟に転移すべく、部屋の扉を開けようとすると、突然勢いよく扉が開かれたのだった。
入ってきたのはマルーンだった。
「イナリ様!」
「ど、どうしたのそんなテンション高く」
「実はですね! イナリ様が以前行った竜宮城のような場所がほかにもないかと思い、探してたら見つけたのですよ!」
「……あるの?」
「あるのです。この世界にも。名前はエデンの園」
「エデン……」
エデンっていうと旧約聖書の創世記に出てくる理想郷。
アダムとイヴが禁断の果実を食べたとされる場所だ。それを見つけたとマルーンは言う。
「正確に言えばそこに行けるフラグというのですかね……。イナリ様。どうでしょうか。ボクとしてはイナリ様と一緒に行きたいなと思い、待機していたのですが……」
「エデンの園、か。ちょっと面白そう。いいよ、エデンを目指そうか」
「……っ! では、準備してまいりますっ! いる人にも声をかけましょうか?」
「そうだね。戦いになるかもしれないし、私たちだけで堪能するってのもなんか違うし、行ける人で行こうよ」
「わかりました!」
マルーンはめっちゃテンション高まっていた。
そして、マルーンはメンバーを集めていた。集ったのはフォーチュン、スコティッシュ、ヒバナ。生産職二人……。まぁ、なんとかなるだろ。
「アンテは?」
「アンテは先日のイベントの後処理ヨ。アンテの親も事務所の経営者だからネ」
「あ、そうだったね」
ホーリーデイズ。アローライフ、まじまんじと同じくらい有名のVTuber事務所。そういやそこの社長さんの娘でしたっけ……。後処理とか任される身分なんだ……。
アンテ、中二病以外は割と有能な面があるからな……。
「よし、じゃ、配信開始するけどいい?」
「了解です」
「配信に出るのは久しぶりな気がするワ」
「あたしも超久しぶりな気がするっすねぇ……。イナリ様、日本にいってたから」
「私も日本に行ってたんですけどぉ……。えと、とりあえず皆さんの足を引っ張らないように気を付けますねぇ……」
私はカメラを回し始めたのだった。




