神宮寺 神子との対談 ③
「配信も長々続けてきましたが、もう時間も時間ということで、最後の質問です」
配信を続けて、今現在10時30分。配信を始めて3時間がすでに経過していた。
本当は9時の予定だったけど話すの楽しすぎて結構伸びちゃった感じ。私は神宮寺さんの最後の質問には真面目に答えようと決心した。
「VTuberの世界に入って後悔とか、していますか?」
「してないっすけど」
「即答!?」
「だって楽しいし。そりゃ最初顔バレとか、住所バレとかしたとき世界の終わりだと思ったんですけどね、私の視聴者さんは凸とかしてこないので助かりました。多分、私だけならまだしも、家族とか、友人とかに視聴者さんが迷惑かけていたらと思うと、もう早々にやめてたかもですね」
もとより、それが両親との約束だった。
多少の迷惑ならまだしも、周りにものすごく迷惑かけるのならすぐにやめろという約束だった。そういう約束で、機材とか揃えてもらった。
だから、そういうことをやられたら正直困ってたのは事実。
「でも、視聴者さんは優しかったから今続けられてて、優しい視聴者さんに恵まれたなァって思ってからはもう全然苦じゃなくて! とっても毎日楽しいっすよ」
「イナリ様……!」
「これからも優しくいてください。私の住所とかは知ってるとは思いますが、凸とかそういうことは絶対にやめてください。両親や友人は一般の人です。私だけに迷惑をかけてください。よろしくお願いします」
私は深く頭を下げた。
「もちろんですともイナリ様! ファンとして! ぜっったい迷惑はかけません! イナリ様、ありがとうございました! 本日は、これで終わりですっ! 私たちも超眠いので!」
「歯ぁ磨けよ! いい夢見ろよ!」
そうして、配信が閉じられた。
私はふぅ、と深く息を吐く。
「本日はどうも! ありがとうございました! イナリ様!」
「いえ、こちらも神宮寺さんとコラボできてうれしかったです。またやりましょうね! 今度は一緒にゲームでも……」
「ぜひーーーーっ!」
元気がいい。
キャプチャースーツを脱ぎ、私服に着替える。神宮寺さんも私服に着替えたようで、本当にクールビューティ。見た目だけで言うなら、本当に厳しい大和なでしこって感じの美人。
私は思わず魅入ってしまった。
「神宮寺さんってめっちゃ綺麗ですよね」
「ふぁっ!?」
「いや、マジで美人……」
「そんなっ……褒めてもらっても何も出ませんってぇ……。イナリ様こそプリティーで……」
「ありがとうございます! あ、これ私のラインと電話番号ですので、こちらでもいつでも声をかけてくれたら一緒にやります!」
「いいのですか!?」
「いいのです!」
私はそろそろホテルが閉まると思い、急いで出ていった。
またゲーム仲間が増えた。




