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神宮寺 神子との対談 ②

 私に対する質問コーナーは続いていく。

 質問に答え、ちょっと疲れてきたなって時に私たちの目の前にあるものが運ばれてきた。


「スタッフさんからの差し入れで、結構お高めのリンゴを用意しました! ちょっと手元だけ映しますね」


 そういってカメラが用意されて手元が映し出される。私は手を振り振りと振り、フォークを手にしていた。

 

「これいただいていいんすか?」

「どうぞどうぞ」


 私はフォークで突き刺して食べてみる。

 味は……美味しいけどなんか違和感。ちょっと酸味が強い。お高めの奴ってこういうのあまりない印象なんだけど。

 私はちょっと伝えてみると。


「すごっ、これちょっとしたドッキリで、お高めのリンゴと偽ってちょっと安いリンゴを出したらわかるのかっていうドッキリで」

「まじっすか!? こういきなり前振りもなしに来てビビったんすけどマジでお高めのじゃないんすね!?」

「よくわかりましたね……。私なら多分信じてパクパク美味しいって言って食べちゃいそう。実際、美味しいですよこれ」

「美味しいんですよねこれ。でも、ちょっと酸味が強いかなーって」


 私はパクパクと普通のリンゴを食べ進める。

 すると、今度はガラスの器に入れられたリンゴが運ばれてきた。


「これは?」

「これは正真正銘お高めのリンゴです。ささ、どうぞ」

「いいんすか? でも、神宮寺さんの分は……」

「私はいいんです。イナリ様への献上品ですので」

「献上品て。そうだなぁ。じゃ、食べさせ合いっこしましょ?」

「……いいんですか?」

「いいんです! こんな美人に食べさせてもらうの超夢なんすよ! 私から。はい、あーん……」

「あーん……」


 パクリと神宮寺さんはリンゴを頬張った。

 もぐもぐと咀嚼して飲み込む。


「美味しい! 酸味もちょっとあるけどちょうどいい酸味! 甘くて蜜入りでとっても美味しいー! この美味しさはイナリ様にも! はい、あーんです」

「あーん……」


 私はリンゴを食べてみる。

 さっきのリンゴと比較してみると、やっぱり味が違う。こっちのほうがものすごく繊細って感じがする。

 ちょっと酸味はあるが、その酸味がこのリンゴの甘みをのし上げている。酸味と甘みの相乗効果がすごい。これ美味いな! これなら何個もいけそう。


 私は無言で食べ進めた。


「イナリ様ものすごい食べっぷり! お気に召しました?」

「召した召した! 超うまいこのリンゴ! いや、本当にお世辞抜きで。これリンゴのコンポートとか作ったら超おいしいと思いますよ! これどこで売ってました? ちょっと金に物を言わせて買いたいんですけど」


 このリンゴ超うまい。


「イナリ様の好物ってリンゴでした?」

「リンゴも好きですね。一番好きなフルーツはマンゴーと桃です」

「そうなんですね! 今度はマンゴーを……」

「すいません、嘘つきました。好きな果物はバナナ…こほん。さくらんぼです」

「そこで嘘つく理由……あっ」

「気づかない! そこ気づかない! ちょっとしたジョーク!」


 コメントでも気づいた人がめっちゃ笑っている。

 ごめんよ。字面は好きだよ。字面と桃の形は。理由は言わない。ちょっと放送禁止になるから……。


「若い子ってそういうネタ好きなんですってことで」

「あはは……。これって反応しちゃダメな奴ですね」

「あとでスタッフさんに怒られます……。ちなみにサクランボはマジです。パフェとかでついてくると一目散にサクランボ食べます。なんなら舌で結べますよ」


 唐突に下ネタぶっこんでごめんなさい。でも許して。私そういうネタ好きだしぶちかますのも好きなんだもん。可愛い女子高生だから……。











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