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光と闇の絆  作者: るあ
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届かぬ思い

光と闇の絆


光と闇は溶け合わない。

絶対に。

ねぇ、お兄ちゃん。

もし、あなたが光なら私は闇だ。

私と兄は、昔から正反対。

兄は昔から愛想が良く、友達が多い。

おまけに学力は高く、運動神経は抜群で思いやりがあり整った顔立ちで欠点のないような、いわゆる完璧な人間だ。

私はその真逆。

昔から無愛想で友達は少ない。

おまけに学力は低く、運動音痴な欠損まみれ。いわるる落ちこぼれ…いや、出来損ないだ。


ふと、昔の出来事を思い出す日がある。

昔はこんなんじゃなかった。

兄と姉と弟と普通に笑い合ってた。

あの頃はすごく幸せだった。

何にも気にせずただたくさん遊んでたくさん食べてたくさん寝てたくさん笑い合って。

でも、そんな幸せな日々は気付いたら壊れていった。

4つ下の弟、結斗は交通事故で他界し、2つ上の姉明は、交通事故で昏睡状態で2年間未だに目を覚ましていない。

それから兄とは、一切話していない。

そりゃそうかもしんない。

大切な弟を事故で他界して、双子の妹明は昏睡状態で目を覚まさなくなって、残されたのが私と兄の2人だけだったから。

両親もその事故で他界して、遠い親戚に引き取られて最初は幸せに暮らしてた。

でも、いつしか親戚は翼のことしか見えなくなっていって私はいつしかあの家で空気のような存在になっていいった。

そして翼は、あの家で追い込まれていった。

毎日毎日叔母さんからも叔父さんからも「完璧でいなさい。」なんて言われ続けて家でも学校でも勉強三昧。

私はあの家で兄が見えないような場所でゴミだと揶揄され続けて、殴られて蹴られて。

おじさんの吸ったたばこを身体に押し付けられて、過呼吸を何度も起こして。でも、誰も助けてくれない。泣けば泣き止むまで殴られて、笑っていれば「気持ち悪い」と殴られて反論すれば「お前ごときが俺たちに指図するな」と殴られて。

私はいつしか、「感情」というものを捨てていた。


私は今日家を出る。

この家であと2年過ごすのが辛い。

兄と比較されるのが辛い。

何となく辛い。

感情なんてものは、去年捨てたはずだったけどまだ残っていたのかもしれない。ただ、今は感情をあらわにはしない。


どこまで移動しただろう。

松陵から仙台駅までバスとタクシーで移動して、新幹線で東京に向かって。

叔父さん、叔母さんに内緒でこっそりバイトをしておいて良かったと思う。

しばらくの間の生活費や交通費をバイトのみで稼いで、兄より先に家を出るなんてきっと私は親不孝ものならぬ、兄不孝ものだろう。

でも、兄はきっと一生あの家から出られないと思う。将来は医者になれってよく言われてる。医者になってたくさんの人の命を救えなんて馬鹿馬鹿しい話だ。


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