路〜産声〜(5)
そこからは大変だった。
アラキとザザは女の子のことは分からないからと、その店の店員にシャーベットを預けて、どこかに行ってしまった。
二人が予算は考えなくていい。と言ってしまったばかりに、シャーベットに沢山の服を売ろうと店員たちが躍起になり、店内のあらゆる衣服を試着させたのだ。
「疲れた……」
シャーベットは、店員たちにずっと試着してはしてを繰り返されていたのだ。さながら、デザイナーに振り回されるマネキンのように。
結局試着した全ての服を購入し、多すぎる袋をロッカーに詰め込んできた所だった。
「おつかれー」
アラキ達が、手を振りながらこちらへ歩いてきた。
「その顔だと…相当振り回されたらしいな」
「そうですよ、全く。二人がいないせいでこんな酷い目に合いました」
そう言いながらシャーベットは二人を睨んだ。
「まぁ、いいじゃないか。おかげで、私服も手に入ったし、こっちも日用品買い終わったところだ。」
「そうなんですね…」
(あ、そういえば)
シャーベットはハッと思い出したかのように言った。
「依頼の方はどうなったんですか?」
その質問にアラキが答えた。
「ああ、バッチリだったぜ!」
バッチリとは?とシャーベットが思っていると、ザザが付け足した。
「賭博場は行われていた、場所も突き止めた」
おお、シャーベットは簡単な声を漏らした。
「やはり、行われていたんですね。それでその場所とは?」
すると、アラキがふふんと鼻を鳴らしながら自慢げに言った。
「場所はシャーベットの服を買った店からのみ行けるバックヤードだ。」
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