路〜産声〜(3)
話は進み、エースーー彼女の父親について語られることとなった。
「そんな……ことが…」
「ああ、信じたくないかもしれないけど。これが君の父親、エースのしてきたことだ」
シャーベットは話の途中からずっと顔が青ざめていっていた。
責められた気持ちになっていたのだ。
それは、そうだろう。自らの父親が加害者で、その被害者が真実を喋ってきたのだから。
「そんな、私、どうすれば。というか、なぜ、その子供である私のことを雇ったんですか?」
その質問にアラキは真剣な顔で答えた。
「ちょっとの復讐と君のことが気になったから。あと、この話をしたのも理由がある。」
「?」
シャーベットはハテナ顔をしたが、アラキは続けて話した。
「君はおそらくお母さんから俺たちへの恨みをたくさん聞かされてきただろう。それは本当のことだ。だけど、俺たちの意見も聞いて欲しかっただけなんだ。被害者ヅラしてるっぽくて感じ悪いだろうけど。お母さんの所に帰るのはまだ待って欲しいっていうだけだ」
シャーベットは少し驚いた。自分が母の所に帰ろうか迷っていることを見透かされていたのだ。
そこまでバレていたことにより、逆にシャーベットは冷静になった
「…つまり、私の母親からの洗脳のようなものを剥がし、父親の悪業をバラすことで、私の両親への信頼を消して、こちら側について欲しいと…」
「まぁそうなる。脅しに近いね」
「………悪い大人たちですね」
そうシャーベットが呟くとザザは困ったようにニコリと笑って答えた
「そうなんだよ。悪いんだよ俺ら」
そう言うと、目の前の二人は顔を見合わせてから笑った。
ーーシャーベットは揺らいでいた。アラキ達の話す、残酷な過去について自分の中でまだ、折り合いを付けられていなかった。そもそも、アラキとザザの言うことが本当かどうかも分かっていなかった。
(自分は一体どうすれば...)
「よし、話し終えたところで、今日の依頼に出かけようか。」
「依頼…ですか?」
「ああ、調査依頼だ。気を取り直してハキハキ行こー!」
そう言うとアラキは身支度を始めた




