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地上へ直接、では無く、
地下1階の第2ゲートの側に転移。
うっ、見られてます。
オリベラ冒険者ギルド出張窓口ブースの、
ペネトレーア女史から。
その圧、魔王さんの比ではないのです……
「ダンジョン完全踏破、おめでとうございます」
ありがとうございます、ペネトレーアさん。
って、もうバレバレなんですかっ。
「先ほど、ダンジョン内にいた全員の脳内に、メッセージが届きました」
マジか……
「つきましては、ダンジョン踏破者様へのご挨拶等ございますので、オリベラ冒険者ギルドにてギルドマスターとの会談の席を」
ちょっと待ってください。
すみませんが今回は、これ、使わせてもらいます。
「……『アンノウン』クラス冒険者特約、ですね」
はい、それです。
では昨日いただいた証書の特約の項目を確認しますね。
この証書、"『アンノウン』クラス認定冒険者"だと長いので、
以降は"乙"としますよ。
① 乙は、いかなる組織からもその行動を束縛されない
② 乙はその自由を守るため、各ギルドに最大限の支援を要請可能な権利を有する
③ 乙のパーティーメンバーは在籍中の案件に限り脱退後も乙と同じ権利を有する
※ 以上の各項目は、乙が違法行為等で有罪とならない限り、それを永世保障する
それで、今回のダンジョン踏破の件は、可能な限り秘匿願います。
ギルドからの特典も式典も、一切無しで。
もちろんこれら全ては、ムリアーノさんにも適用されますよね。
「オリベラダンジョン、初めての踏破者なのですよ……」
……俺たちの今後の冒険者活動にデメリットが大きすぎると判断しました。
このダンジョンはダンジョンコアが無いタイプのようですし、
コア絡みの利権が無ければ、このまま秘匿しても特に問題ありませんよね。
「……了解しました」
「現在ダンジョンアタック中の全てのパーティーには、冒険者ギルドによるダンジョン封鎖からの周知活動にて対応します」
「現在この件は私の権限で全ての進捗を止めておりますので、ダンジョンの外への情報流出は一切ございません」
「ただ、オリベラ冒険者ギルドのギルドマスターへの報告は規定事項であることを、ご了承ください」
重ね重ね、ありがとうございます。
それでは俺たちは、ムリアーノさんをご自宅へ送ってきます。
「お疲れ様でした。 良い旅を」




