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『よくぞここまで辿り着いた』
『この魔王自らが、汝らを勇者と認めよう』
『それでは、新たなる勇者を迎えるに相応しい最終試練を始める!』
はい、よく言えました。
そして、情け無用の完全無敵モードでラスボスっぽさをアピール、でしたよね。
『……都合により、バトルは省略』
『謎解きのみで試練を執り行う』
……ありがとうございます、流石は魔王さま。
流血シーン無しの出血大サービスってことですよ。
『えーと、そういうのいいから』
『では、最終試練の難解奇問』
『見事解き明かしてみせよ!』
このダンジョン、言いたいことはいろいろあるけど、
最終バトルくらいはビシッと決めましょ!
『それでは……』
『貴族の長男に転生したけど生まれ持ったスキルがハズレだと家を追い出され、
冒険者として頑張ったのにスキルが駄目駄目だと勇者パーティーから追放され、
王都で生産職したらスキルに群がってきた連中から搾取されまくったので、
森でスローライフしていたらスキルのおかげでいろんな種族から懐かれた俺が、
王子から婚約破棄された幼なじみを救うために王都の学園に入学して、
チートなスキルで無双ハーレムしちゃった件』
『この主人公が授かったスキルは?』
……はい?
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えーと、これって本当に正解はひとつなの?
ってか、女性陣全員が宇宙にゃんこ状態なんですけど。
『対召喚者用のスペシャルな難問である』
『様々な答えが思い浮かぶと思うが、正解はたったひとつ』
『大いに悩み苦しむが良い!』
……どうしよ、これ。
みんなの意見は?
「正直、問題の全てが分かりません」
「そもそも召喚者さんにしか解けない問題のようですし、私にはさっぱり……」
ですよね、ツェリアさんみたいな真面目さんにはなおさら……
『考えるだけムダっぽいから、シジマさんに丸投げ!』
『このダンジョンには心底ガッカリだから、後はふて寝するのみ!』
だよね、俺もマジでガッカリだよ。
それじゃチミコさんは、いつもの場所でゆっくり休んでてね。
「まさかこんなことになるなんて」
「ごめんなさい、皆さん……」
いえいえ、ムリアーノさんはこれっぽっちも悪くないですから。
あえて言うなら、ダンジョンからまともに対応してもらえなくて、
こんな場所まで飛ばされた俺のせい……
……なんか、考えたらムカっ腹が立ってきたよ。
せっかく真面目にダンジョンしようとこの街まで来たのに、
あまりと言えばあまりな仕打ち。
あっちがマトモにプレイさせてくれないなら、
こっちだって真面目に答える必要無いっての。
それじゃ、みんなには悪いけど、
俺のやりたいようにやらせてもらうから。
『答えは、如何に!』




