第10回 フィスト・ガン 軍手が銃になった!
フィスト・ガン
グローブ・ピストル
セッジリーOSS.38
色々な名前で呼ばれている試製拳銃です。
めっちゃ簡単に言うと『手袋ピストル』となります。
アメリカで特殊工作専用の武器として開発・研究されていたらしいですが……
皮手袋の甲の部分に単発で弾丸を放つ事ができる機構を組み込んで固定するという、いたって簡単な構造になっています。
2本の筒のようなパーツが取り付けられており、一方がトリガーで押し込む部分が伸びています。もう一方は弾丸が収められているので、ここから弾丸が発射されます。
拳銃のように銃身を持たず、ボタンを押すかのようにしてトリガーを押して発砲します。
銃口とトリガーが並んでいて滅茶苦茶近く、通常の銃と比べて危険です。
さらに、銃身が無いに等しいため弾丸が十分に加速されず、有効な射程距離は2メートル程度、長くて3メートルという短すぎる射程になっています。
まぁ、そもそも、射程なんて必要ではないんですけどね。
扱い方としては、このフィスト。ガンをはめた状態で握り拳を作ります。そうすると、トリガー部分だけが拳から突き出したような形になりますね。
この状態で相手をパンチすれば、体重の乗っていないヘナチョコのパンチが、一撃必殺の銃撃に早変わりとなるわけです。
これを身に着けた場合、コートの袖などで手の甲をカバーするなどして隠す必要性なども出てきますが、ハンズフリーの状態で銃撃が行えるという事が最大のメリットです。
工作活動中や潜入中などで、何らかの作業を行っている間でも非武装状態にならず、咄嗟の時に攻撃体制をとれるようになっており、暗殺や隠密活動のアイテムとして開発と研究が進められました。
グローブ部分は薄手の皮手袋や軍手のようになっており、手の動きを阻害しにくい素材を選択、活動への支障がでないように配慮されており、その面では実戦的です。
トリガーがむき出しになっている事や、手や腕への衝撃がもろに弾丸に伝わるので、暴発の恐れとは常に背中合わせと言う欠点もありますが……
簡単に発射される特徴を活用してブービートラップにも転用できます。トリガー部分だけが地面や物の隙間から出しておいて、それに触れたり、踏んだら弾丸が発射するように仕掛けるという訳です。
ぶっちゃけた話、暴発や発射の危険や扱いにくい構造から、実戦には採用されず、試作段階で終わっている銃となっています。
ところが、製造などの特許が取得されており、もしかしたら実践にも投入されていたのかもしれませんね。
必殺の銃撃パンチと考えると、ロマンを感じざるをえない銃だと言えるでしょう。
ハンドガン・パンチ!
……ちっちゃいナイフでええやん
って、なったのかもしれませんね。




