四章 ~闘技大会~ (3)
「それじゃあ、闘技大会について教えてあげるわね。」
エントリーを済ませた俺は、翌日喫茶店のマスターから闘技大会について話しを聞くことに。
「闘技大会はバルトハインで百年以上続く伝統的なイベントよ。元々は地元で一番強い人を決めるために始まったけど、今ではバルトハイン以外の街からも参加者が集まって、世界一強い人を決める大会と言っても過言じゃないくらいになったわ。」
世界一…か。思ったよりも大規模な大会なんだな。
「私がここに店を構えて十年経つけど、もう毎年大にぎわいで、この時期は繁盛させてもらってるわ~。」
「そんなでかい大会なんだ。じゃあいくらカルロでも優勝は厳しいかもね。」
マスターに注文を伝えにきたグレンダが口を挟む。マスターは注文を受けると慣れた手つきでコーヒーをいれ、グレンダに渡す。
「たしか本戦の参加者は十六人だったか。」
「チャンピオンも含めたら十七人ね。」
本戦は一対一のトーナメントが行われ、見事十六人の中のトップに輝いた者が、チャンピオンとの決勝戦に挑める。
「まあまずは明後日からの予選を勝ち上がって、本戦出場の八枠に入ることね。」
明後日からは三日間の予選会が開かれる。俺も当然予選から参加する。内容はたしか一日目が能力テストで、その結果の上位に残ると、二日目か三日目に実技テストがあるってエントリーしたときに言ってたかな。
「予選からの勝ち上がり以外の八枠はどうなっているんだ?」
「まずは去年の準優勝者と三位入賞者。つまり去年チャンピオンに負けた人とその人に負けた人ね。この二人はエントリーすれば本戦から参加できるわ。今年は二人とも出るみたいね。」
今年は、ということは出ないこともあるのだろう。その場合は予選からの勝ち上がり枠が増えるのかもしれないな。
「次に王都防衛班からも毎年二枠用意されてるわ。といっても三年目までの新人から選ばれるから、実力はそこそこね。」
防衛班、ビショップがいたところか。彼女の強さを考えると、新人とはいえ油断はできないな。
「最後の四枠は、王立魔法学院からの選抜者が参加するわ。この子たちが毎年大会を盛り上げてくれるのよね~。みんな若いのに強くてかっこいいのよ。何回か優勝してる年もあるしね。」
王立魔法学院、こっちはルークの母校だな。ただでさえ魔法の才能がある者が集まる中でも、選ばれし四人が参加するのか。期待できるな。
「そして忘れちゃいけないのが、現チャンピオンのシン・ウェールズね。歴代最高にならぶ四度の防衛を果たし、今年ついに新記録となる五度目の防衛を果たすんじゃないかってみんな注目してるわ。」
シン・ウェールズ、コイツが大本命だな。仲間にできればかなりの戦力になってくれるだろう。
「彼の魅力はなんと言っても、次々と変化する七色の武器を鮮やかに操るところよね~。もう本当にかっこいいんだから!おまけにイケメンだし、ちょーーー人気なのよ。」
マスターの話しにも熱が入る。
「変化するってのはどういう?」
「彼は魔力の流し方で形を変える特別な武器を持っているの。なんでも彼のお師匠さんが作り出した最高傑作なんだとか。」
特別な武器か。もしかしたら製作者は異世界人かもな。実際チャンピオンの強さがどれほどのものかはわからんが、なんにせよまずは明後日からの予選だな。
「いろいろ教えてくれてありがとう。」
「フフッ応援してるわよ、カルロちゃん。」




