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三章 ~アネルマ~ (9)

 私らに任せるとは言われたけど、どうしたもんかね。ていうかニックンが魔獣を作ったってどういうこと?めっちゃそっちも気になるんだけど~。


「グレちゃん、とりあえず私が防御魔法でサポートしながら、グレちゃんの攻撃が通じるか確認していこうと思うんだけど、どうかな?」


 フィリフィリは向こうの会話は全然気になってないみたいね。それよりもカルロに任されたのが嬉しかったんだろうな~。かわいいじゃないの。変に空回りしないといいけど。


「オッケー、そのまま倒しちゃっても文句言わないでよね。」


「いやそんな甘い相手じゃないから。油断しないで。」


「うす。」


 ガチレス帰ってきちゃった。まあフィリフィリの言う通り気を引き締めないと。カルロがあっさり倒したのを見てたせいで、どこか大した相手じゃないと思っていた気がするし。


「…あのさ、私がサポートでフィリフィリが攻撃の方がいいんじゃない?フィリフィリの魔法の才能エグいじゃん?カルロみたいにアイツの頭吹っ飛ばしちゃいなよ!」


「魔術書じゃ、あそこまでの威力は出せないよ。それにあの速い動きに私じゃ対応できないから。」


 なるほど、一応冷静に判断できてるみたいで安心した。ただそれだと二人で倒せるかどうか不安だな~。カルロは私たちだけで倒せるって思ったから任せたのかな?それとも本当に私たちの実力を試したいだけ?何にせよ、今はとりあえずやるしかないか。


「んじゃ、そろそろ仕掛けるから、フィリフィリはサポートよろしく。」


「うん、防御は任せて。」


 カルロのときもそうだったけど、こっちから刺激しない限りは襲って来なさそうなのよね。強者の余裕?でも視線はこっち向いてるし、警戒はしてるっぽい。一撃入れたら確実に敵と認識されるだろうから、こっからは集中切らしちゃダメよ私。


 私は銃に魔力を流し、身体強化魔法を発動し、いまだに動きを見せない熊の魔獣に向かって走り出す。正面から撃っても避けられるかもしれないし、何より私の攻撃が通らない可能性が高い。私は魔獣の手前三メートルほどの位置に来ると、その勢いのまま魔獣の横にある木に飛び、蹴って魔獣の後ろに回り込む。狙いは比較的攻撃が通り易そうな関節部分。私は魔獣の膝の裏めがけて銃弾を放つ。

 私の攻撃は狙いどおりの位置に命中し、魔獣は体制を崩して膝をついた。よし、このまま次は首を狙う。と、二発目を撃とうとしたとき、魔獣が振り向き凄まじいスピードで迫ってきた。

 ヤバい早く防御魔法に切り替えないと!?ダメ、間に合わない!


「防御魔法!」


 魔獣の攻撃は私の目の前で止まる。ギリギリでフィリフィリの魔法が助けてくれた。


「ナイス!フィリフィリ!ありがとう~。」


「いいから早く離れて!」


 私は魔獣から距離をとってフィリフィリの横まで行く。いつの間にか魔獣の周囲はフィリフィリの防御魔法で囲われている。やっぱこの子凄いな。


「助かったよ~、マジ焦ったわ~。」


「そういう役割分担だったでしょ。それよりどう?倒せそう?」


「うーん、私の火力じゃ無理だね。うまいこと攻撃しても今みたいに体制崩させるのが限界かな。」


「そっか、どうしよう。」


 考え込むフィリフィリに私はニッと笑いかける。


「私に作戦が二つある。まずは一つ目を試させて欲しい。」


 いきなり自信満々に提案する私にフィリフィリは少し驚いた様子だ。


「どんな作戦なの?」


「火力が足りないなら数で勝負すればいいのよ。」

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