残金 99,725,230円
人間、欲っていうのが一番厄介で一番の敵である。
欲っていうのやつは寝ても忘れたりしない
むしろ、時間が立つほど気持ちが強まって来る。
これが適度に発散出来るレベルの事ならいいのだが
歌手になりたいとか、医者になりたいといった事だと、全員は叶えられないし
基本、自信の置かれている生活環境が影響してくる。
夢っていうのは全員は叶えられない。
世界中全員が金持ちを願っても意味はない。
なぜなら、人より持っているから金持ちなのであって
1億あろうが、10億あろうが、自分の周囲の人も同じだけ持っていたら
それが普通になってしまうので、金持ちにはならない。
もっと簡単に言うなら
地球を滅亡させてください。と願う人と
地球を守ってください。と願う人がいた場合
必ずどちらかは叶わない。
でも、それが互いの願いであり夢だとしたらどうなるだろうか…
夢が叶った人とそうでない人の心の格差は大きい
その溝はまず埋まらない
叶わなかった人の心は段々と閉じていく
そこで逆に、今まで以上に努力してやると闘志を燃やす者もいるが
それも無駄に終わる事も珍しくはない
そんな中では、金の使い方だった困る事もある
夢がなく、したい事もない。なんていう人からすれば尚更の事である
貯金も味けないし、かといって何も欲しい物もない
そうなるとつい手を染めてしまいがちなのがギャンブルだ
吉岡君もギャンブルはする方だったから
軽く近所のホールに出かけた。
不思議な物でなぜかそういう時は勝てる
金があるって事で安心して出来るからか、落ち着いてどっしりと構えられる
戦いの時の鎧同様
現在においては、金こそが鎧
どんな武器、攻撃をも跳ね返す最高の武具だと言えるかもしれない。
そんな防具を若くして一晩で手に入れたとなれば
発狂してもおかしくない
でも、不思議と次第になくなって行く物で
暫くやっている内に段々右下がりになってきた
気がつけばもう結構な損失となっている
損失といっても、元手が元手なので大したことないかもしれないが
それでも、無視は出来ない。
バイトをやめて以来久しぶりに熱中したように思えた。
働いている人の中を悠々と歩く事にもなれた
かけうどんや普通の牛丼なんかは食べ物として除外された。
値段も見なくてよくなった。
何でも欲しい物を食べれるようになった。
ここが一番恐ろしい所で、一度レベルを上げた生活になれるともう戻れない。
彼もまた、坂を登っている一人になっていた
上りだけの坂道を…




