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魔導士学院生は、今日も元気ですっ!(落ちこぼれ呼ばわりされても、くじけません)  作者: nanoky


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(1)

 今回は、リーユエンが、魔導士学院で教師として、学生の指導にあたります。不定期連載になるので、よかったらお読みください。

(ハアーッ、今日もうまくできなかった・・・)

 実習室からの帰り道、モンシェンは、またもやため息をついた。一体このため息、今日は何回目なのだろうかと思う。

 モンシェンは、ムササビ族の出身だ。魔導士学院の一回生だが、もう学期末なので、来季は二回生に上がる。成績は正直言うと良くない。いや、はっきり言うと下から数えた方が早い。

(やっぱり、モンティン伯父さんみたいに、役人になるために法律実務学院の試験を受ければよかった。ぼくは、進路を間違えたのかもしれない)

 モンシェンの父の兄、モンティンは玄武国政府の伝奏部に勤める官吏だ。モンシェンは、役人になりたいという気持ちもあったのだけれど、ムササビ族の唯一の魔導士が数年前に死去してしまい、後任者が誰もいない状態が続いていた、そのため、亡くなる前にその魔導士が、ムササビ族の中では霊力が強いと推薦したモンシェンが後を継ぐことになり、魔導士学院を受験したのだ。魔導士学院の受験倍率は、公表されてはいないが、噂によると二百倍から七百倍、もっと大袈裟なものなら千五百倍というのまである。その超難関の試験を、モンシェンは見事突破し、昨年学院へ入学を果たしたのだ。

 一族の中では霊力が強いと言われていたし、亡くなる直前まで魔導士は、モンシェンへ魔導術の基礎を色々指導していてくれたので、モンシェンも入学当初は、意気軒昂で希望に溢れていたのだ。けれど、他の合格者と一緒に授業を受けるうちに、モンシェンの自信は、漆喰を塗り忘れた煉瓦塀のように、ガラガラと崩れ落ちてしまった。

 魔導士学院の一回生は、十五人ずつの六クラス編成だった。そして、今日は学年末最終試験、これに合格できないと二回生に進級できない。留年して一回生の課程を受け直すか、そのまま退学して新たな進路を模索するかだ。モンシェンは、先ほど、その進級のかかる最終試験を受け終わったのだ。

 亡くなった魔導士は、モンティンは霊力が強いと、いつも誉めてくれたけれど、モンシェンは魔導術を発動させるのが苦手だった。術の効果が安定しないのだ。最初は、彼に期待していた教師たちも、モンシェンの術の発動の不安定ぶりに、次第に彼に対する関心は薄れていき、今は、術の発動が素早く安定している他の生徒たちを熱心に指導するようになっていた。

 今日の最終試験は、玄武岩目掛けて術を発動させ、岩を砕くという課題だった。この試験に失敗したら、落第してしまう、そう思うと緊張して、なかなか強い衝撃波を撃つことができなかった。そして、規定時間内ギリギリでようやく撃ったとき、玄武岩は爆発して四方八方に粉々に散ってしまい、砕けすぎて、粉ものに変わっていた。

 それを見た教師のひとりは、「ブハッ」と吹き出し、笑いを堪えようと身を折り曲げ震えていた。

他の教師も首をふったり、肩をすくめたり、術の発動の不安定さが、かなりの減点になったのは間違いなかった。

 モンシェンは、落第は免れたが、どうしたわけか、実習室で砕いた玄武岩の噂が広まってしまい、「玄武岩の粉挽少年」という、変なあだ名がついた。

 モンシェンは、辛うじて一回生の最終試験を突破し、進級した。そして、今秋、新たな学年が始まり、クラス編成と、担当教諭の発表があった。

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