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10話 静かに

 俺はゆっくりと扉を開けて、借りた部屋に入る。

 ベットは2つあるが、すでにグラとヘルラレンが使っていた。

 2人ともぐっすりと寝ている。

 起こさないようにしないと。


 俺が部屋に入るに続いて、ジューザラスも部屋に入ってきた。

 だが、全く静かにする気がないのか、袋に入った肉を地面に遠慮なく落とした。

 この袋は匂いを防止することが出来るため、肉でも匂いはしない。

 流石に保存機能はないため、ジューザラスに炎で焼いてもらった。

 これで、生肉よりはもつはずだ。


 「くそっ! ベット使われてるじゃねぇかよ!」

 「しー! 起きちゃうでしょ」

  

 俺が出来る限り小さい声で会話するが、ジューザラスは全く声の大きさを下げずに喋り続ける。


 「そんなもん知るか! 今からでも叩き起こして――」

 「絶対駄目だから!」


 ヘルラレンを叩き起こそうとするジューザラスを、俺はとにかく必死に止めて、椅子に座って寝るように説得した。

 最初は文句を言いまくっていたが、渋々納得して椅子に座った。


 「何で俺が椅子に座って寝なくちゃいけねぇんだ……! やっぱ人間の世界は――」


 椅子に座ってからも文句を言い続けていたが、段々と声が小さくなっていきそして聞こえなくなった。


 「寝たか……」


 意地でもヘルラレンを叩き起こそうととしたら、本当にどうしようかと思ったが、その心配は不要だったようだ。


 俺も置いてあった椅子に座って、腕を組んだ。

 ジューザラスの部下か……。

 ジューザラスの部下って……大丈夫なのか……?


 どうやら、ジューザラスでは剣術を教えることはできないらしく、そのかわりに部下が教えてくれるらしい。

 拳の戦い方なら教えられると言われたが、それはまた別の機会にしてもらった。

 俺は剣術を磨いて、心も強くし弱い自分を消さなくてはいけない。


 いつまでも、弱いままではいられない。

 俺も強い人間になって――


 「あぁ……余のパンが……」

 「それ私の……だよー……」

 「ぐぐぅ……ががぁ……」

 「……」


 50万セリン手に入ったんだし、家買うか。


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