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私、産まれ故郷ではチートでした。  作者: 霜月満月
第三章 決意とこれから
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55話 火急の知らせ

港で私達を見ていた兵士さん達は実は辺境伯家の私兵だったと判明した途端。

私達をチラチラ見ていたというだけで。


「「重ね重ね申し訳ありません!」」

と目の前の辺境伯親子が頭を下げている。


私、何回謝られるんだろ‥‥?


「お二方共。頭を上げてください。」


と、私が言うと頭を上げてくれた。


「あの時は不思議だっただけですから。そんなに何度も謝らないでください。」

「で、ですが!」

「私にとっては疑問だったことが解決しただけです。不快だった訳でもありませんから、もう謝って頂く必要はありません。」


ゴゴゴゴゴ


そこに一人の男性が扉を開けて入ってきた。


ん?あの人‥‥


「陛下、妃殿下、両王女殿下。了承を得ず、勝手に参りましたことをまずはお詫び致します。」

「よい。どうした?」

父と妹(・・・)が登城して来たと伺いましたので失礼ながら参上させて頂きました。」

「なるほどな。来た理由は?」

「妹が第二王女殿下に対する非礼を詫びに来たと知りまして、私の方からもお詫びに。」


うわ‥‥‥こっちもか。


「だ、そうだぞ?ルリ。」

「はぁ‥‥‥リアン(・・・)?私が気にしないって言うの、分かってるでしょ?」

「はい。ですが、けじめです。」

「けじめねぇ‥‥。」


今入ってきたのは近衛騎士団のもう一人の副団長。

名前はリアン・クリーガ。辺境伯家次男でラフィネ様の兄。

私がイリスを名前で呼び、敬語も使わなくなって来た頃に会った。その初対面でイリスと同じ様に接してほしいと言われた。

同じ副団長なんだからいいよね?的な感じで。


「お、お兄様。」

「ラフィネ。もうお詫びしたのか?」

「ええ。ルリ様は本当にお優しくて、気にしてないと仰って下さいましたわ。」

「そうか。‥‥‥第二王女殿下の寛大なお心に感謝申し上げます。」


硬い!


「リアン。硬い。この空気が硬い。もう気にしてないって言ってるのに。」

「ふふっ。姫様。言葉が乱れてますよ。」

「誰のせいよ。」

「私のせいですね。」

「リアン。王女殿下に失礼だろう。」

「失礼致しました。第二王女殿下。」

「はぁ‥‥‥リアン。辺境伯様とラフィネ様も。謝罪はもういりません。これ以上の謝罪は聞きません。いいですね?」

「はい。第二王女殿下。」

「「は、はい。」」


はぁ‥‥やっと謝罪が終わった。


と、思ったら。


《ルリ。》

「オリジン?」

『え?』

《王太子の一団が襲われてるぞ。》

「は?」

《だから、王太子の一団が魔物の集団に襲われてるぞ。》

「はあ!?どこで!?ってまだセピオライト国内か。」

《ああ。行くか?》

「行けるの?」

《ああ。行けるぞ。ルリなら。》

「なら行く。」


ゴゴゴゴゴ


とそこに扉を開けて入ってきたのは、イリスだった。


「陛下。謁見の最中に申し訳ございません。火急の知らせをお伝えに参りました。」

「よい。どうした?」

「イリス。それはラズライトの一団が魔物の集団に襲われてること?」

「なに!?」

「え?は、はい。ですが、何故それを?」

「オリジンが教えてくれた。で、オリジン。どうやって行くの?」


ーでしたら私をお呼びください。ルリ様。ー


「え?」

《声が聞こえたか?》

「う、うん。」

《なら、どうしたらいいか分かるか?》

「えっと、四大の時と同じ?」

《ああ。》

「分かった。‥‥辺境伯様、ラフィネ様。」

「「は、はい。」」

「お二人のご用事は以上でよろしかったでしょうか?」

「「はい。」」

「分かりました。では、私は申し訳ありませんが失礼致します。」

『え?』


四大の時と同じ‥‥‥‥


「ー空間を司りし精霊ラウム。巫女ルリの名の元にその姿を現せー」

『え!?』

私以外の全員がさっきから驚いてるみたいだけど、今はそれどころじゃない。


《ルリ様。お初にお目に掛けます。ラウムでございます。》


そう言って現れたのはリアンと見た目年齢が変わらないぐらいの白髪が綺麗な青年だった。


「ラウム。私をラズライトの一団の所に連れて行って。できるから呼んでって言ったんだよね?」

《はい。‥‥では、早速。》


と言ってラウムが手を前方に翳すと、空間に穴が空いた様になり、そこだけ違う景色があった。


「これは?」

《空間を移動できるものです。本来はルリ様のイメージする場所に向かえる術なのですが、今回は私のイメージで繋げました。》

「すごっ!ありがと、ラウム。」

《いえ。》

「イリス。」

「はい。」

「陛下に報告が終わり次第、追いかけてきて。」

「はっ!」

「リアン。」

「はい。」

「ついてきてくれる?」

「勿論でございます。お供致します。」

「ありがとう。‥‥父様、母様、姉様。行って参ります。」


そう言って私は皆が唖然とする中、リアンと共にリヒト達の所に向かった。

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