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私、産まれ故郷ではチートでした。  作者: 霜月満月
第六章 二度目の二人旅
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112話 もたらされた情報

剣術の試合をやったあと。


さすがに昨日のはお互いに心臓に悪い出来事だったため、汗を流すために入ったお風呂上がりでも同じ過ちを繰り返すことなく平和だった。


そして、ルリとリヒトは一日中。優人はこれまで通り、魔王としての公務や仕事の合間にそれぞれ剣術の訓練をしつつ日々が過ぎていき‥‥



ルリとリヒトが魔王城に滞在して四日目。


この日もルリ、リヒト、優人、護衛の三人が交代で試合をしたりしていた。


「‥‥‥ルリ、この数日でまたちょっと実力上がりましたよね?」

「ですね‥‥陛下が‥‥」

『あ。』


「そこまで!‥‥‥ついに現実になってしまいましたね、陛下。」


バラクの声で対戦していた二人の動きが止まる。


「やったぁ!やっと優人に勝ったぁ!」

「‥‥‥昨日までは勝ててたのに‥‥。」


今試合をしていたのはルリと優人。

最後、ルリの訓練用の剣が優人のを弾き、隙が生まれたところにルリが優人の首元に剣を突き付けて終了だ。


そして今、優人が言った様にこの三日間毎日優人とルリは対戦していたが、昨日までは優人が勝っていた。


ルリ達三人が見学していたリヒト達に合流すると。


「やったな、ルリ。」

「うん!魔王様に勝っちゃった。」

「‥‥‥俺、昨日まで何でルリに勝てたんだ?」

「ん?そりゃ日本にいる間、剣を使ったの魔岩の隔離施設に突っ込んだ時だけだもん。それ以外は鍛練とか休んでたからね。」

「‥‥‥勘を取り戻しただけ?」

「まあ、そうなるな。優人、だから言っただろ?ルリは魔物を倒せるし、自分の身は自分で守れるって。」

「ああ、言ってたな‥‥ルリ。二年前言ってたこと、有言実行したってことだな。」

「!!!‥‥うん!」


と話していると、

「皆様。こちらでしたか。」

「あ。ガリアさん。」


今日は一緒にいなかったガリアが来たのだが、他に男性を一人連れて来ていた。


その人を見たルリとリヒトが「「あ!!!」」と驚き、


それに『え?』ときょとんとする周囲。


唯一ガリアに連れて来られた男性のみ笑っていて、

「覚えてくださった様で何よりです。」と。


「じゃあ、やっぱり‥‥」

「ええ。まずこちらに向かってくださって良かったです。あの時は怖がらせてすみません。」

「い、いえ‥‥」

「あの、ガリア殿。もしかしてこの方が‥‥?」

「え、ええ。彼がアンスロスに潜入調査させていた者です。お二人もご存知だったのですか?」

「いえ。でもこの方なんです。アンスロスで私達に巫女の誘拐の件を教えてくださった親切な人。」

「おや。そうでしたか。」

「あの時は潜入中でしたので名乗ることができなかったこと、お詫び致します。改めて名乗らせて頂いてもよろしいでしょうか?」

「は、はい。」

「ありがとうございます。私の名前はゲイルと申します。お二人は南にあるエヴァンジル大陸の‥‥王族の方、ですよね?」

「「‥‥」」


私達はお互い顔を見合って「どうする?」と無言で戸惑っていた。


「お二人共。ゲイルは口は硬いので名乗っても大丈夫ですよ。」

「‥‥ガリアさんがそう仰るなら‥‥リヒト。」

「ああ。俺達も正直に名乗るか。」

「うん。‥‥ゲイルさん。あなたの仰る通り、私達はエヴァンジル大陸にある国の王族です。まず、私はセピオライト王国第二王女のルリ・セピオライトと申します。」

「私はラズライト王国王太子のリヒト・ラズライトと申します。」

「!!!‥‥やはり‥‥王太子殿下は予想通りでした。王女殿下はもしかしてとは思いましたが‥‥。」

「ではあの時、私達の身分を予想してあの場から離れる様に助言頂いたのですか?」

「ええ。あ、お二人共。私のことは呼び捨てで敬語も必要ありませんよ。」

「え?でも年上ですよね?」

「ええ。でも20なのでさほど変わりませんよね?」

「はい‥‥でも未来の兄様と同い年‥‥。」

「あ。確かにスヴェートさんと同い年だな。」

「‥‥‥敬語をとる努力はできても呼び捨ては抵抗あるよね‥‥。」

「だな‥‥。」

「えっと‥‥とりあえず、お互いに自己紹介が終わったところで本題に入りませんか?」

「「あ。」」

「えっと、ゲイルさんが潜入調査されていた方でしたら‥‥」

「ええ。私は普段、アンスロスの動向を探る為に潜入しておりますが、不穏な情報を手に入れた時はこうして戻って参ります。」

「リアルスパイだ!」

『え?』

「ははは!そういうことだ。ルリ。」

「すごいね、優人。私、スパイやってる人に初めて会ったよ!」

「だろ?俺もルリと同じ反応したぞ。」

「だよね!?」

『‥‥‥。』


「陛下、ルリ姫。話を戻しても?」

「あ、すみません。どうぞ。」

「‥‥‥今回、エヴァンジル大陸に侵攻しようとする動きがあったので戻ってきましたが、お二人にお待ち頂いて良かったです。」

「では‥‥」

「はい。やはり侵攻するつもりの様です。ただ、目標の巫女の特徴までは把握しきれていない様で、調査を続けています。なので、すぐにでもということはなさそうです。」

「そうですか‥‥」

「少なくとも半年以上は猶予があるかと。何せ海の向こうの大陸の情報を探ろうというのですから。情報のやり取りや報告のための行き来だけでも時間がかかりますからね。」

「なるほど。‥‥じゃあ、リヒト。」

「ああ。旅して帰っても大丈夫そうだな。」

「‥‥王女殿下。」

「はい。」

「絶対に口外しないとお約束しますので、お答え頂きたいのですが‥‥私の予想が正しければ、王女殿下が巫女では‥‥?」

「‥‥‥。」


私がリヒトの顔を伺うと、リヒトは無言で頷いた。


「‥‥‥はい。私が巫女です。」

「やはりそうでしたか‥‥信じて頂き、感謝致します。」

「いえ。先日も今日も情報を渡してくださった方ですから。潜入する方にとって情報は命の筈です。それを例え王族といえど他国の者である私達に教えて頂いたので、これぐらいは。」

「!!!‥‥‥失礼ですが、王女殿下はおいくつでいらっしゃいますか?」

「ちょっと前に16歳になったばかりです。」

「16歳‥‥ご立派な方ですね。」

「そ、そうですか?」

「ええ。」


「なあ、ルリ、リヒトさん。」

「「ん?」」

「旅して帰るならまたすぐに出ていくのか?」

「ああ。俺達がここにいた理由は優人と話すためだったし、待っていたゲイル殿の情報も聞けたからな。」

「そうか‥‥」

「優人、寂しいの?」

「さ、寂しくねぇよ!」

「「寂しいんだ。」」

「寂しくねぇって!」

「次がいつかは分からないけど、また来るよ。」

「‥‥‥分かってる。」

「優人。次に会う時までにもう少し強くなってるんだぞ?ルリに負けたままは悔しいだろ?」

「ぐっ。でも、ルリも同じだけまた強くなるだろ?追い付けない気がする‥‥。」

「ぷっ‥‥へ、陛下。ついにルリ姫に負けたんですか?」

「‥‥‥ああ。」

「「ぷっ。」」

「ゲイルもか!」

「ふふっ‥‥す、すみません。」


「寂しく感じる余裕はなさそうだね。」

「だな。」

「リヒト、いつ出る?」

「う~ん。もう明日、すぐにでも出発するか?」

「そうだね。半年後に来るとしたらギリギリぐらい?」

「そうだな。ちょっと急ぎ目に帰るか。」

「うん。」


「ルリ姫、リヒト様。明日、出発されるのですか?」

「ええ。そのつもりです。」

「分かりました。」

「‥‥ゲイルさん。」

「はい。」

「よろしければ、ガリアさんと同じように名前で呼んで頂けませんか?」

「私のことも。」

「え?よろしいのですか?」

「「はい。」」

「‥‥では、ルリ姫様、リヒト様。またお会いできる日を楽しみにしております。」

「え?」

「私は潜入調査をしている身。少し休息をとったら仕事に戻ります。」

「そうですか‥‥。」

「では、失礼致します。」


と言った瞬間、姿が消えたゲイルさん。


「消えた!優人、ゲイルさんって忍者!?」

「ははは!違う違う。見事に同じこと言うな、ルリ。」

「え?そうなの?」

「ああ。」


「とりあえず、ルリ。明日の準備するか。」

「は~い!」


翌朝。朝食後。


「数日間、お世話になりました!」

「ふふっ。いえいえ。」

「あ、ガリアさん。この剣‥‥」

「それはルリ姫に差し上げた物です。そのままお持ちください。」

「!! ありがとうございます。」

「では、俺達は行きますね。」

「ああ。ルリ、リヒトさん。またな!」

「「また!」」


そして再びルリとリヒトの旅が再開された。

やっと魔王城から出発します。

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