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幸せなポーションライフを  作者: 空野進
1.2.王都編
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17.解決屋

「この町でどうやってお金を稼ごうかな?」


 町で生活して行くにはお金がいる。幸いなことに今は前の町で稼いだ分とミリーナを助けたお礼にもらったお金が残っているので、すぐに必要にはならないが、稼ぐ手段は探しておかないといけない。


「そうだ、あの少女()を助けた時みたいに困った人を助けるものがいいなぁ。喜んでもらえるし……」

「それなら困ったことを解決する、悩みの相談屋みたいなことをすればいいんじゃないのか?」


 リルの言葉にレフィはハッとなる。

 それならポーションを使わなくても解決できる問題もあるだろうし、どうしても困ったときだけはポーションを使えばいい。


 前に領主に目をつけられた時みたいに注目を浴びることもないだろう。


「うん、それだね!」


 そうと決まったら早速困っている人を探しに行こう。

 レフィ達は町の中央部へと向かっていった。



「何かお困りごとはありませんか? 今ならどんな困りごともぱっと解決しますよ」


 町の中央で声を上げて勧誘する。ただ、あまり振り向いてくれる人はいなかった。


「なかなか見つからないな」

「いきなりこんなことを言われても普通は困るよね」


 改めて考えてみると今やっていることが怪しい人物にしか見えなかった。

 いきなり問題を叩きつけられたレフィは頭を抱えていた。

 すると突然声をかけられる。


「あんたは……レフィ……だったか? こんなところで何をしてるんだ?」


 振り向いてみるとそこには兵士長の姿があった。

 それを見た瞬間にレフィは彼に近寄っていた。


「なにかお困りごとはありませんか? 何でもいいですから……」

「もしかして悩み相談みたいな仕事でも始めたのか? 今はギルドがあるからほとんどそっちに取られると思うぞ……。ただ、そうだな。ギルドに頼んでもなかなかしてもらえない依頼ならあるがそれでもいいか?」

「はいっ!」


「よし、わかった。それならついてきてくれ! 是非頼みたい仕事がある!」


 兵士長について行くと案内されたのは住宅街の外れだった。


「ここで何をしたらいいのですか?」

「あぁ、これを見てくれ」


 兵士長は地面にある蓋のようなものを開く。するとそこから異臭が漂ってきて、思わずレフィは鼻をつまんだ。


「な、なんですか、ここは……」

「ここは町の生活排水を流しているところなんだ。通りを歩いてもらうと所々にこんな蓋があるんだが、見ての通りすぐに汚れて異臭が漂うんだ。依頼の内容はこの異臭を取り除いてくれたらいい。どうだろうか?」


 確かに鼻の曲がりそうなほどひどい臭いだけど、これを抑えるのは簡単だろうな。


「わかりました。やってみます」


 レフィが承諾すると兵士長は嬉しそうに頷いた。


「よし、それじゃあ終わったら声をかけてくれ。大体王城にある兵士詰所の近くにいるからな」


 それだけいうと兵士長は王城に向けて歩き出した。

 それをしっかり確認した後、レフィは手のひらからポーションを生み出す。


 それを異臭のする溝の中に入れる。

 すると一瞬で臭いが消え、水の色の澄んだ色に変わっていた。


 今加えたのは浄化効果のあるポーション。

 これでしばらくは臭いの騒ぎはなくなるだろう。


 依頼が終わったことを確認するとレフィはすぐに兵士長を追おうとしたが、まだ普通にその姿が見えていた。


「兵士長さーん、ちょっといいですかー?」

「なんだ? なにかわからないことでもあったのか?」


 大声で呼びかけると兵士長が振り向いてくれる。


「いえ、終わったので見てもらってもいいですか?」


 すると兵士長の動きが固まってしまう。


「ちょ、ちょっと待て。うまく聞き取れなかったみたいだ。もう一度言ってもらってもいいか?」


 動揺する兵士長が頭に手を当てながら聞いてくる。


「はいっ、依頼の件ですけど、もう終わりましたよ!」


 やはり聞き違いじゃないとわかると兵士長は慌てて近づいてくる。


「そ、そんなに早く終わるはずないだろう。いくら何でも俺をからかって――」


 兵士長が蓋の中をのぞき込む。


「本当だ……。もうきれいになってる。むしろきれいすぎないか? 飲み水としても使えそうなくらいに……」

「いえ、僕はあまり飲みたくないですね」


 いくら浄化ポーションできれいにしているとはいえ元が生活排水だからなぁ……。


 レフィは苦笑していたが、兵士長は水を手ですくい上げていた。


「ま、まさか本当に飲むのですか!?」

「いや、飲まないぞ!! ただ、どうやったらこんな魔法のようなことができるんだと思ってな。普通の魔法スキルだとまずできないからな」

「それは……内緒です」


 レフィは口に手を当ててはにかむ。

 すると兵士長が大笑いし出す。


「確かにこれだけの力、黙っておきたいよな。わかった、力のことは黙っていてやろう。ただ、依頼のことは大々的に宣伝させてもらうな」


 最後に兵士長がウインクをして、依頼料を支払ってくれる。

 ポーションを一つ下水に入れて銀貨二枚……。意外といい稼ぎになるかもしれないね。

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