加護を与えよ その5
壁を無作為に触りして、入り口を探す彼らは真剣そのものである。私は、不意に部屋を見渡した。外壁側にあるはずの無い見慣れない、とても豪華で立派な造り扉を見付けた。
目を疑って何度も擦っては見たものの、幻ではないし、ドアノブも触れることを確認して…… と恐る恐る開けてみる。
外ではないけど、真暗闇でなにも見えない、部屋から差し込める灯りが吸い込まれるように消えていく。
うん、閉めとこ!
乙女一人で入る勇気は、私にはございませんので、あしからず。
踊場が少しあって、その先が階段らしきものがあるのだけは、わかったけれど、それ以上、先に進む勇気はありませんから。
内側に開いた扉を静かに閉めた。
開けた途端、ひんやりした空気が流れ込んできたから、ゾっとしたよ ああ、くわばらくわばら
私は再びパソコンの前に腰を降ろして、彼らの同行を伺うことに専念した。
一列に並んで宝探しでもしているかのような、光景がなんとも痛々しいく。
チミタチ、アホなの
と突っ込みたくなるくらいです、ほんとに。
それにしても他種族色々居るわね。
ドワーフにエルフ ダークエルフと、それにヒューマンか獣人も猫耳に尻尾……。
なんだろう、見慣れていないせいなのか、この上なく新鮮ですよ。
因に彼らの音声がないので無音ですが、動作だけを見ているわけですが。
あったー というジェスチャーをしたのだけはよくわかりました。
え! 嘘だぁ
彼らの同行を疑ったが事実だった。
あ、壁に隠し扉じゃなくて、地下に降りる階段を見付けた、ぽいよ。