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その商品、容量が足りません。
今日もいつもの席に座る。
隣の同僚に声をかける。
「中川さん、昨日は入電多かったですね。」
「あー、なんか異世界テレビで結構放送されたらしいよ。」
「今日は、人間がいいね」と話をしながら準備をする。
そしてー
電話が鳴る。
「お電話ありがとうございます。異世界通販センターの宇野が承ります。」
「あの、ラジオでやってた商品ある?」
「恐れ入りますが、どのような商品でしょうか」
「犬とかの臭いが取れるとかいうスプレーよ」
「くさEーノですね。大変人気の商品でごさいます。」
電話の向こうで話す女性は「それそれ」と嬉しそうだ。
「ちなみに、獣の匂いも消えるのかしら」
「個人差ございますが、消えたというお声も頂いております。」
わたしは、PCに入力を行う。
「お客様、種族をお願いいたします。」
「ケルベロス」
「……」
「恐れ入りますが、お客様ご自身に使われるという事でしょうか」
「それ以外あるの?」
「恐れ入りますが、こちはの容量ではたりないかと思われます。」




