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6.帰還

 時姫と影彦が村に戻ると、中臣氏の風姫が二人を待っていた。

 影彦は時姫を背にかばうように進み、風姫を見た。風姫は二人を見てから、口を開いた。

「神の使いが夢枕に立ち、時姫と影彦を夫婦にするよう告げました」


 風姫はそう言うと、時姫と影彦に首を垂れ、言葉をつづけた。

「二人が穢れを払ったことで、神の力が戻り疫病も去るだろうと、神の使いより聞きました」

 風姫の後ろには清隆が青白い顔をして立っている。


「二人とも、よくやった」

 清隆はそれだけ言うと風姫に声をかけた。

「そろそろ屋敷に戻ろう、風姫」

「父上」

 

 風姫は時姫たちに背を向けて少し歩いた後に振り返り、時姫たちに言った。

「村のはずれにある、空き家を二人の家にするとよいでしょう。人が住めるように手入れはされているはずです」

「姉上……」

「さあ、早く行きなさい。あなたはもう、中臣氏なかとみうじの家から……自由になったのです」


 時姫と影彦は風姫たちに軽く頭を下げ、村はずれの家に向かった。

 あばら家かと思っていた屋敷は、二人で暮らすには十分すぎるくらいに大きく手入れも行き届いていた。


「時姫、小さいけれど畑もあるし、井戸もある。ここでなら二人で暮らしていけそうだ」

「良かったわ、影彦」

 二人は屋敷の中を見てから、影彦の家に向かった。


 影彦の両親は事の次第を聞き驚いたものの、二人のこれからの生活を祝福した。


「影彦、これからもよろしくね」

「ああ、時姫。これからはともに暮らしていこう」

 二人は家に帰り、静かで穏やかな日々を過ごした。


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