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44.白くて暖かい魔力

 パンを食べ終えた後、前に私がアマダスに魔法を教えた場所、リーン王国の外へと向かい、そこで今度は私がアマダスから魔法を教えてもらう。


「それじゃ、よろしくね、アマダス」


「おう!我がパランを強くしてやるぞ!最初はなんの魔法がよいか?」


 私に魔法を教えられるのが嬉しいのか、テンションの高いアマダス。私は少し考えてから、取り敢えず少し使える氷魔法を教えてもらうことにする。


「氷魔法からお願いしてもいい?」


「いいぞ!……ほれ、氷魔法じゃ」


 すっとアマダスが手のひらを上に向けたかと思うと、氷の塊が一瞬で姿を現した。アマダスの魔法は、もう何度も見ているから、別に今更驚くことはないけど、やっぱりすごい。


 取り敢えず私は気持ちを切り替えて、アマダスの氷魔法を真似てやってみる。


 でも……


「やっぱりこれが限界……」


 手のひらの上には小さな氷の粒しか出来ない。アマダスと私は何が違うんだろう……私はそう考えながら、何度もやってみる。


 一応、覚えた魔法を伸ばす方法として、何回も使うというのが一番いいと言われてはいるけど……


「パランは魔力の使い方が下手じゃな」


 私が何回も氷魔法を使っていると、アマダスがきっぱりと言ってきた。


「なら、どうすればいいの?」


 私はちょっと傷付きながらも言葉を返すと、アマダスは真剣に答えてくる。


「パラン。何故かは分からぬが、体に流れておる魔力がずっと乱れておるぞ。それに、魔力の量も少ない」


 アマダスの答えに、私は背筋を凍らせながらドキッとする。確かアマダスは、エクストラ魔法の【魔力把握】を持っている。これは、全ての生き物や場所の魔力の流れだったり、量が分かるとか。


 てことはアマダスはもう気付いて……


「わっ!」


 私が、アマダスから本能的に一歩さがってしまいそうになった時、腕を引っ張られてくるっと後ろ向きにさせられたかと思うと、アマダスが後ろから抱きついてくる。


「きゅ、急に何?」


「パラン。まずは魔力の流れを綺麗にするぞ」


「それって……抱きつかないとだめなの?」


 後ろから伸びるアマダスの腕を掴んで、思わず低い声で言葉を口にして、離れようとする。けれど、アマダスはさらにぎゅっと私を抱きしめる。


「いいじゃろ……誰も見ておらん」


「そういう問題じゃなくて……」


「大丈夫じゃ、パラン」


 耳元で優しいアマダスの声が聞こえた時、アマダスから何か熱いものが私に流れ込んで、その熱いものが体にスッーと馴染んで、全身に行き渡っていく。


 その間、ずっと耳にアマダスの吐息がかかって、余計顔も体も熱くなる。


「……アマダス、その……」


「もうちょっとじゃ」


 それから長いようで短い時間の中で、アマダスから流れてくる熱い魔力が体に馴染み、ふっと体が軽くなった。


 私がそれに驚くと同時、アマダスが腕の力を抜いて私から離れようとする。だから、私は急いで腕を掴んで、


「待って。もう少しこのままがいい……誰にも見られてないんだから」


 アマダスの腕をなぞって、手を握りながら言う。すると、アマダスが私の背中で嬉しそうに笑う気配がして……また抱きしめてくれた後、いつもの元気な、そして嬉しそうな声で、私をからかってきた。


「仕方がないな。パランはわがままな子じゃから。よいぞ」

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