12.ドラゴン
王国へと帰る道すがら、アマダスは私を追い抜かして前に来たかと思うと、思い出したように聞いてくる。
「そう言えば、魔物はどこにおるんじゃ?」
「あっ、言ってなかったね。魔物は王国の外にもそこそこいるけど、ダンジョンに結構いるものなんだ」
「ダンジョンとな?」
「そう。何階層あるか分からない、大きくて広い場所。そこには薬草もいっぱいあるし、魔物もいっぱいいる」
「なるほど、ダンジョン。いいな!行きたいぞ!」
私の話を聞いて、目を輝かせながらぴょこぴょこするアマダス。まあ確かに行っても良いけど、その前に大事な事がある。
「アマダスは、防具とか武器とか持ってないでしょ?だから、それを買ってからね」
「防具?武器?パランが身に付けているものの事か?」
「そうだよ。それを揃えてから、かな」
「なら、揃えるぞ!どうすればいいのだ?」
「防具も武器も自分に合ったものを街で買うんだよ。アマダスの物は私が買ってあげる」
「本当か?やったぞ!」
うん。やばい。どうしよう。なんで今私こんな事言ったんだろう。お金ほぼないのに……と、取り敢えず、
「でも、アマダス。それは何日か先。もっと魔法を使えるようになってからね」
「そ、そうか。それならもっと魔法頑張るぞ!」
そんな会話をしながら、私とアマダスは冒険者協会へと向かう。お金はまあ、何とかなるはず……
〇◆〇◆
冒険者協会に着いてすぐ、アマダスは不思議そうな顔をしながら辺りを見渡して、口を開く。
「人が少ないぞ……」
アマダスのそんな言葉に私も見渡して……いつもなら酒に酔った冒険者でガヤガヤしている、椅子とテーブルが置かれた広い場所が、ガランと空いている。
「本当だ……でも、どうして?」
今日は別に何か特別な日って訳じゃないはず……そう思いながら受付を見るとナールがこっちに手招きをして、私とアマダスは受付へ。
「何かあったの?」
「ええ。先程、ダンジョンからドラゴンが発見されまして、皆さん我先にダンジョンへと向かいましたよ」
ドラゴン。ドラゴンを討てば一生楽して暮らせるぐらいのお金が手に入るとか。希少で血も肉もあらゆる物が役に立つすごい生き物とか。なんとか。
でも……私がここに来て二年経つけどドラゴンが出たなんて初めて聞いた。まあだから皆行ったんだろうけど……
そう私が考えていると、アマダスがナールに向かって聞く。
「そんなにすごいのか?ドラゴンとは」
「そうですね。五年ぶりぐらいに発見されましたから。今まで目撃情報は少しあったのですが、なんでも第三層の大広間から出れなくなってる所が見つかったとか」
ナールのそんな説明を聞いて、アマダスは子供の様に無邪気に、私の服を引っ張って言う。
「行ってみないか、パラン!」
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