春の女王
先生「みんなの意見がまとまらないので、先生が決めたいと思います。」
クラス全員「だったら最初からそう言えよ。」
「今までの時間はなんだったんだ?」
先生「では発表したいと思います。先生が春の女王をします!!」
クラス全員「はあ?何言ってるの?」
「先生、正気ですか?」
先生「だって、先生まだ25だし。春の女王とかしたら、女子力上がりそうだし。」
クラス全員「なんだよ、それ。もう好きにすれば。」
「はいはい。好きにすれば?ってか、先生やめるの?」
「まさかの休職?」
先生「はい、休職します。ちゃんと、みんなが3年生になるのを見届けてから、春の女王になります。」
クラス全員「まあ、学校の代表になるのであって、春の女王になれるかどうかは、まだ分からないからなあ。」
「まさか、自分を推薦するとは。凄い大人がいたもんだ。」
「先生、伝説を作ったなあ。褒美は分けてくれるんですか?」
先生「もちろん。みんなで山分けします。」
一 1週間後一
この日は朝礼で、天気は快晴。全校生徒がグラウンドに集合した。学校代表で、春の女王に選ばれた先生の姿は、そこにはなかった。
校長先生が挨拶をし、長い話が始まった。何人かの生徒が貧血をおこし倒れた。
校長先生「最後に、今日からこの学校に赴任された、山本先生を紹介します。山本先生、どうぞ。」
小柄な若い男の先生が朝礼台に上がり、挨拶をした。
山本先生「今日から、この学校に赴任することになった山本と言います。よろしくお願いします。」
新人の山本先生の登場で、生徒達は確信した。
全校生徒「もしかして、先生が春の女王になったんじゃない?」
「きっとそうだよ。先生が春の女王に選ばれたんだ!!」
「休職するって言ってたけど、教師辞めたんだな。」
次の日、春の女王が新聞に発表されたが、そこに先生の名前はなく、生徒達の知らない名前があった。生徒達は首を傾げた。
花高校の生徒達は思った。
先生はいったい、どこに行ったんだろう・・・・。
男「あんた、先生だったんだってな。先生は大変そうだなあ。」
先生だった人「はい。いろいろと大変でした。」
男「で、ストレスが溜まって万引きを?しかも、あんた常習犯みたいだな。」
先生だった人「・・・・はい。」
男「余罪がまだまだ出てきそうだから、しばらくまだ、ここに居てもらうよ。」
そう言うと、監視の刑事は机に向かって座り、なにやら書類を読み始めた。
先生だった人は、留置場で1人、朝食を食べ始めた。