朝の会にて
一 花高校 2年梅組の教室 朝の会 一
先生「みんな、おはよう。たぶん、みんなも知っていると思いますが、2年竹組の春美ちゃん、3月から春の女王として塔に行く予定でしたが、転校してしまいました。そこで、今回はこのクラスから、春の女王を1人、学校代表として選出してほしいと校長先生から要望がありまして。で、今から春の女王を決めたいと思います。はい、誰か春の女王になりたい人、手を挙げて。」
佐藤が手を挙げた。
先生「佐藤。お前、男じゃん。却下。」
斎藤が手を挙げた。
先生「斎藤、お前、レディースの総長なんだろ。ダメダメ。」
斎藤「先生、私は総長じゃありません。幹部です。特攻服を着て、春の女王をやり遂げたいと思います。夜露死苦!!」
先生「斎藤。勘弁してくれ。はい、他に誰か?」
田中が手を挙げた。
先生「田中。お前、名前が冬子じゃん。ぜんぜん春を感じないよ。却下。」
先生「あのですね、今、2年松組の静香ちゃんが、春の女王が決まるまで、塔で冬の女王をやってもらってます。先生としては、冬の女王がこの学校から選ばれたので、ぜひ、春の女王もこの学校から誕生させたいのです。冬、春と連覇したいんです。ということで、立候補はやめて、推薦にしたいと思います。はい、春の女王は、この人がいいと思う人を発表して下さい。」
クラス全員「だったら、最初からそう言えよ。」
「春の女王になったら、授業にも3ヶ月出なくていいし、就職にも有利になるから立候補したのに。」
「いいよなあ、女子は。男子は関係ないし。」
先生「は~い。みんな、静かにして。今回は、春の女王に選ばれると、なんと王様から褒美を貰えるそうです。噂では、かなりの大金を貰えるみたいですよ。だから、真剣にお願いします。」
佐藤が手を挙げて発表した。
佐藤「渡辺さんがいいと思います。」
渡辺さんは、少し長身で可愛く、スレンダーな女子で、花高校のアイドル的存在だ。しかも勉強もできる。
クラスの男子達「やっぱ才色兼備の渡辺さんしかいないよな。」
「でも、渡辺さんがいなくなると、学校に来る楽しみがなくなる。」
「そうだよ。梅組の女子は、渡辺さんでもってるようなもんだ。」
クラスの女子達「何よ、その言い方。渡部さん以外はみんな、ブスだって言うの!!」
「男子だって、パッとしない冴えないオタク系ばかりじゃない!!」
渡部「みんな!!私のことで喧嘩するのはやめて!!」
クラス全員「・・・・おいおい。」




